カナダのモントリオールにある法律事務所の「Calex Légal」が、シューティングゲーム「フォートナイト」は「あまりにも中毒性が高すぎる」として、開発元のEpic Gamesに対して集団訴訟を起こす準備を進めています。

Addicted to Fortnite? Montreal law firm says video game company should pay up | CBC News

https://www.cbc.ca/news/canada/montreal/fortnite-lawsuit-calex-legal-montreal-1.5308625

New legal challenge accuses Epic of "knowingly" creating the "very, very addictive game", Fortnite ? Eurogamer.net

https://www.eurogamer.net/articles/2019-10-06-new-legal-challenge-accuses-epic-of-knowingly-creating-the-very-very-addictive-game-fortnite

CBC Newsが報じるところによると、10歳と15歳の2人の未成年の両親に代わり、Calex Légalは集団訴訟を起こすために裁判所側に訴状を提出したそうです。訴状ではフォートナイトの中毒性がコカインに例えられており、「ゲームに依存する可能性のある若者の脳にドーパミンを放つ」と問題点が指摘されています。

集団訴訟を準備しているCalex Légalのアレッサンドラ・エスポジト・シャルトラン弁護士は、「我々はフォートナイトというゲームを掘り下げ、これに対する強い主張があることに気づきました」とCBC Newsに語っています。シャルトラン弁護士によると、子どもの両親からフォートナイトのような中毒性の高いゲームを制作する会社を訴える旨について連絡があったとのこと。そして、記事作成時点では同じように「子どもがゲームの中毒になって困っている両親」を探している段階であるそうです。

集団訴訟はアメリカに本拠地を置くフォートナイトの開発元であるEpic Gamesと、そのカナダの子会社を相手にするもので、2019年10月3日にモントリオールにある裁判所に訴状が提出されています。フォートナイトの中毒性についての今回の訴訟は、2015年にカナダのケベック州で喫煙者らがタバコ会社を相手に起こした集団訴訟に基づいたもの。ケベックのタバコに関する訴訟では、「タバコ会社はタバコの有害性を知りながら、喫煙者にその危険性を十分告知しなかったうえ、悪辣なマーケティング活動などを行った」と主張し、総額150億カナダドル(当時のレートで約1兆5000億円)もの損害賠償金を原告側が勝ち取っています。シャルトラン弁護士は「基本的に同じ法的根拠に基づいています。情報提供の義務が中心です」と語り、ゲーム会社が「ゲームには中毒性がある」と明確にユーザーに示していない点に問題があるとしています。

フォートナイトなどの中毒性の高いゲームは、中毒性の高いゲームを作成することを目的とした広範な研究開発の成果であるとシャルトラン弁護士は述べており、「Epic Gamesはフォートナイトを作成した際から、長年にわたり心理学者を雇っています。彼らは人間の脳がむさぼりつくような、可能な限りやみつきになるようなゲームを開発しようと努力してきました。Epic Gamesは研究開発の成果を、青少年向けの非常に中毒性のあるゲームとして、意図的に市場に投入したのです」と述べました。

さらにシャルトラン弁護士は、「我々の元に2人の子どもの親がやってきて、『フォートナイトはあまりにも中毒性が高いものです。子どもの人生を台無しにするものと知っていたなら、このゲームを子どもたちにプレイさせることはなかったし、もっと注意深く子どもたちを観察していました』と言いました」と、集団訴訟を起こすきっかけについてもコメント。加えて、ケベック州だけでなく世界中に「子どものフォートナイト離れ」を支援する治療センターが存在することを指摘し、多くの子どもがフォートナイトの中毒性に悩まされていると主張しています。

また、訴状では世界保健機関(WHO)が怪我や病気を分類する国際的なガイドラインである「疾病及び関連保健問題の国際統計分類(ICD)」の改訂版で、普段の生活に支障が出るほどゲームをやり過ぎてしまう「ゲーム障害」を、新しい病気と認定したことにも触れ、ゲーム中毒は病気であることが強調されているそうです。

ゲームを普段の生活に支障が出るほどやり過ぎてしまう「ゲーム障害」は病気であると分類される - GIGAZINE

CBC NewsはEpic Gamesに対してコメントを求めたそうですが、記事作成時点では返答を得られていないそうです。

なお、Epic Gamesの利用規約には集団訴訟に関する免除事項が含まれており、以下のように記されています。

集団訴訟の禁止

お客様は、本契約に関連して生じるいかなる紛争も個人として解決し、集団訴訟を提起せず、また、いかなる集団訴訟にも参加しないことに同意するものとします。お客様は、弊社が本条項及び上記の紛争条項へのお客様の同意と引き換えに指定された条件によるサービスを提供することが可能となること、また、お客様の同意が本契約における不可欠な約因であることを理解するものとします。

また、お客様は、弊社、弊社の役員、取締役、従業員、代理人または関連会社との間でお客様のサービスまたは本契約の利用に関して生じるいかなる紛争に関しても、お客様が代表訴訟における代表、私的法務総裁もしくはその他の代表資格を有する者として行動する権利、または集団訴訟に参加する権利を放棄することを承認し、理解するものとします。