うだるように暑い夏…。ただ、この季節のいい所は宵の口からのお酒が旨い事だ。

休日には肩ひじ張らずに、安くて美味しいホルモンで冷えたビールをグイッと行こう。

都内でおすすめの名店を選りすぐってご紹介しよう!



ロースターで焼き上げる上質な肉はどれをオーダーしても外れなし!
浅草コリアンタウンの老舗店
『冨味屋』

大衆焼肉店がひしめく路地裏に店を構える老舗の人気店。昭和感漂うディープな雰囲気ながら味は高級店にも負けない本格派だ。

肉は黒毛和牛A5を使用し、調理法は昔の韓国料理をベースにしている。



ホルモン、ミノなど4種の「ホルモンセット(塩、タレ)」。内容は日替わりだ

「すべて自信作」と胸を張るメニューの中でもイチオシなのが、自家製塩ダレで仕込んだホルモン。鮮度と仕込みにこだわったホルモンは、丁寧に下処理されているため脂多めでも後味はさっぱり。

噛み締めるたびじんわり広がる脂の旨みが後を引く。ゴマこしょうとレモン汁をまぶして食せば、酒が止まらなくなること必至!

「上ハラミ」も人気なんだとか。一度足を運べば、その美味しさに驚くはずだ!




口に入れた瞬間のプルンとした食感がたまりません
タレのきいたホルモンがNo.1だ
『おやじのおとうと』

一にも二にも鮮度と言われるホルモンですが『おやじのおとうと』のそれは、一口食べれば、味の違いがわかるはず。

この店といえば、やはり自慢のホルモン。いわゆるマルチョウに当たるが、これが濃厚な辛みそダレと絡まれば、もう箸とビール、白米が止まらない!

したたる脂の一滴も逃したくない!と思わせる、最高クラスのホルモン! 韓国料理が多く、焼肉激戦区な赤坂で、必ず訪れて欲しいお店だ。




左から、フランス串、シロ、カシラ、レタス巻き。焼きの技が光る
丁寧な仕事で最高の味わいに
『やきとん よし田』

亀有の駅からすぐの人気店『やきとん よし田』。野方の『秋元屋』で修行した店主・吉田氏が、2016年に開店したもつ焼きの名店だ。

毎日、芝浦から朝締めの新鮮なモツを仕入れ、丁寧に処理を施す。

特に注目なのは「シロ」。噛み切れなくてクセがあるという概念を壊す、口にするととろけるような逸品だ。

徹底的に下処理をした後、強火で何時間もトロトロ食感になるまで茹でたのち、強い炭火で一気に火入れする。



黒ホッピーと、モツカレー、ポテトサラダ。至福のひとときだ

タレは秋元屋から受け継いだもの。シロには醤油ダレ、カシラには味噌ダレを使用する。

シャリキンに凍らせた黒ホッピーが夏にぴったりだ。



キュウリとミョウガ、栃尾揚げ納豆

大将の気風の良さと、抜群の居心地で、店内はいつも笑顔で包まれている。

季節野菜の一品モノや、〆のモツカレーまで、心行くまで堪能してほしい。


噛めば噛むほど旨味が広がる!



本店よりもやや広くなった店内で、極上のホルモン焼きを
まずは盛り合わせから!
『炭火焼ホルモン まんてん 代々木店』

鮮度の良さや下ごしらえの丁寧さは言わずもがな、ホルモンアイテムの豊富さで、他店を圧倒しているのが、ここ『炭火焼ホルモン まんてん 代々木店』だ。

常時、メニューにオンラインされているものだけでも、ギャラ芯、サンドミノ、リードボウ等々の牛ホルモンが11種余り。豚ホルモンにいたっては“ちれ”(脾臓)、“まめ”(腎臓)、“こぶくろ”(子宮)、“なんこつ”etc。なんと23種がズラリと並ぶ。

加えて、“ぱい”(豚の乳房)、“ほうでん”“らっぱ”といった珍ホルモンに“ブレンズ”(豚の脳みそ)や豚の脂つきハラミなど裏メニューも5種ほど用意されているというから恐れ入る。



ホルモン8種盛り。手前から時計回りにサンドミノ、のどがしら、きんつる、子袋、てっぽう、ヤン、パイ(豚の乳房)に中央が脂付きのはらみ(豚)など

そこには、「ホルモンの魅力はなんといっても部位ごとに異なる食感と味わいの妙」と語るご主人・阿部亮氏の思いが込められている。あまりの種類の豊富さに迷った時は、“8種盛り”がおすすめだ。

“のどがしら”や“はつもと”といったコリコリ系から、脂ギッシュな“マルチョウ”“コプチャン”。そして、“てっぽう”“ヤン”“こぶくろ”などのシコシコ、ぷりぷり系と、味つけや食感のバランスを考えつつ、阿部氏がその日のおすすめを見繕って盛りあわせてくれる。もちろんリクエストもOK。

自分の好みを伝えてお任せするのが正解だ。ここなら、ホルモンが苦手という人でもお気に入りの逸品と出逢えるはず。食べたことのないホルモンの世界にどっぷり魅了されるに違いない。



和牛のはらみ。厚みもあり、ジューシーな肉質

白センマイの刺身。黒い皮を取り除いてあり、食感も軽快。塩味で、さっぱりと頂ける


「特撰ホルモン激辛」。ピリッとした辛さがクセになる。
芝浦の老舗焼肉店といえばここ
『黒毛和牛専門店 精香園』

1970年の創業以来、最高級のA5和牛にこだわり続ける焼肉の名店。食肉市場があり、食肉の聖地として知られる芝浦の地に店を構えて40年以上、松坂牛、但馬牛、米沢牛など、そのとき最良のものを仕入れている。

塩ハラミ発祥の店としても有名だが、希少部位も豊富で、ミスジ(肩甲骨の下)、カイノミ(わき腹)、トモサンカク(後ろ足の付け根)などが揃う。

シビレ(胸腺)やカシラ(頬肉)など、ホルモン系の品揃えも充実。こちらも塩で味わえば、素材そのものが持つ独特の味わいが楽しめる。

一方で、常連客に人気なのが「特撰ホルモン激辛」。唐辛子たっぷりの刺激的な見た目だが、火を通すとちょうど良い辛さに変わり、噛むほどに濃厚な味が口の中に広がる。これからの季節にぴったりのメニューだ。




名物プリプリホルモンは、大きくカットした新鮮なホルモンで食べごたえ十分
高級店の味をリーズナブルに
焼肉伝説 肉衛門』

近頃、高級店が沿線にカジュアルな店舗を出すのが増えている。2013年オープンのここもそんな店舗のひとつで、銀座で高級店として人気を博す『韓流 安歡(アンファン)』のカジュアル店だ。

一人あたりの予算約1万円という接待仕様の銀座とは異なり、こちらは肉を味わうことに特化したシンプルな店構え。焼肉メニューは銀座とほぼ同等でありながら、予算5千円程度とかなりお手軽に食べられる。

つけダレは醤油ダレ、味噌ダレ、塩の3種類。九州産の味噌を用いた味噌ダレは、ピリ辛でスパイシー。肉の味わいをよりまろやかにするから、酒にもごはんにも合う。

亀戸という焼肉激戦区の街で確かな存在感を示している。銀座の人気焼肉店のこだわりが、自腹価格で頂けるのがうれしい。