羽生結弦選手(2018年2月撮影)

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フィギュアスケート五輪2大会連続金メダリスト・羽生結弦選手(24)の名前を中国の企業が商標登録申請していることが分かった。羽生選手が所属する全日本空輸(ANA)は取材に対し、申請について「状況は把握しています」としている。

商標登録申請の情報は中国のSNS「微博(ウェイボー)」で書き込まれており、ANA公式アカウントが反応していた。

4月28日付で2件の申請

ウェイボーユーザーの書き込みがあったのは2019年8月4日。「羽生結弦」(原文の「結」の字の偏は、糸偏の1・2画目の下に横棒)を商標登録しようとしている企業があり、もし申請が通れば皮革製品などに「羽生結弦」の名前が使われる可能性があるとしている。

中国の知的財産権を管轄する行政機関「国家知識産権局」が公開している商標データベース(DB)で検索したページのスクリーンショット画像などもアップ。4月28日付で2件「羽生結弦」が登録申請されていることを示す結果が表示されており、現在「審査中」という。

編集部が実際に同DBで調べると、確かに同じ項目が見つかった。申請のうち1件が5月16日付、もう1件が5月20日付でそれぞれ受理され、審査に入ったことが記録されている。申請したのは2件とも同じ中国企業だった。

ウェイボーの投稿者は「自分たちファンができることは限られています。この投稿が拡散され、(羽生選手が所属する)ANAに届くことを願っています」(原文は中国語、編集部和訳)としており、商標登録されないことを望んでいると見られる。すると8月5日、ANAの公式アカウントが反応し、「ご教示とご心配くださり感謝します。関係部署が本件の進行を懸念しています。全日空は今後も羽生結弦選手を守ります」(同上)とのメッセージを送った。

「適宜マネジメント会社と連携してまいります」

ANA広報は7日、J-CASTニュースの取材に「商標登録申請がされている状況は把握しています」とした上で、「当社が確認している範囲で、全体として7件の申請がなされ、すでに5件は却下されていることを把握しています」とも答えた。

上記の商標DBでは、過去にも「羽生結弦」で商標登録申請されていた記録が見つかった。17年8月〜18年7月の間に計5回の申請があり、いずれも審査の結果「拒否、却下または無効」の判断が下されている。申請したのは4社で、いずれも今回の企業とは異なる。

商標申請に対する対応などを検討しているかどうかについて。ANA広報は、

「引き続き、状況把握に努め、適宜マネジメント会社と連携してまいります。ANAグループは今後とも羽生結弦選手を応援していきます」

と話している。