餃子製品では「桃ちゃん餃子」の愛称で親しまれていた

 三桃食品(株)東北工場(TDB企業コード:160086055、資本金4745万円、山形県米沢市窪田町窪田字五輪462-1、代表山口泰助氏)は、7月17日に山形地裁米沢支部より再生手続き廃止決定および保全管理命令を受けた。今後、破産手続きに移行する予定。

 保全管理人は伊藤三之弁護士(山形県山形市宮町5-12-21、伊藤三之法律事務所、電話023-633-7860)。

 当社は、1972年(昭和47年)5月に三桃食品(株)(静岡県焼津市、2015年4月破産手続き開始決定)の協力工場として設立。大手流通業者やスーパーマーケット業界を得意先として、餃子や中華まん、焼売などのチルド食品製造を行っていた。特に餃子製品では「桃ちゃん餃子」の愛称で知名度があり(チルド餃子ではグループとして全国トップクラス)、近年のピークとなる2006年4月期には年売上高約16億4600万円を計上。しかし、消費低迷と食品業界の低価格志向により受注単価の低下を招き、収益性が低調となったうえ、設備投資負担が重く近年は欠損計上が続いていた。また、資本・人的関係があった三桃食品(株)の倒産が当社の信用低下につながるとともに、同社に対する不良債権の発生も経営を圧迫。2015年4月期以降は債務超過が続くなど、余裕の乏しい資金繰りを強いられていた。

今後は破産手続きに移行する予定

 こうしたなか、スポンサーを求めて事業再生を目指していたが、自力での再建を断念。2月15日に山形地裁米沢支部へ民事再生法の適用を申請し、3月18日には再生手続き開始決定を受けていたが、有効な再生計画の策定ができなかったことから、今回の措置となった。

 民事再生法申請時の負債は約11億5000万円。