<米大統領選に遂に名乗り出たのは民主党の重鎮で最有力候補のバイデン前副大統領。20人の民主党候補のうちただ一人、トランプも脅威に感じている>

オバマ政権で副大統領を務めたジョー・バイデンが4月25日(米国時間)、2020年大統領選挙への出馬を目指すべく、民主党候補者指名争いに立候補することを正式に表明した。元共和党全国委員会(RNC)委員長で現在は政治評論家であるマイケル・スティールは、ドナルド・トランプ大統領はバイデンについて、すでに「懸念を覚えている」と述べている。

スティールは4月25日朝、MSNBCに出演し、バイデンの立候補表明について見方を語った。スティールは、トランプはバイデンを最も手ごわい相手と考えているはずだと述べたうえで、「(バイデンに対して)汚いツイートをたくさん出してくるだろう」と警告した。また、トランプが25日朝にバイデンに向けて投稿したツイートに触れ、「トランプが不安に感じている証拠だ」と語った。
「すでに立候補している民主党の19人の候補者たちの顔ぶれを見る限り、ジョー(バイデン)は最も準備が整っている。低俗な方法を使う必要なく、落ち着いた洗練されたやり方でトランプのあとを追えると私は見ている」

バイデンが立候補を表明したキャンペーンビデオ。白人至上主義を容認するトランプを批判した


<関連記事>バイデンの人知れぬ善行がネットで拡散、感激するアメリカ人



「女性に触り過ぎ」「強引なキスをされた」などと非難されるスキャンダルもあった


<関連記事>バイデン前副大統領「髪にキス」で窮地に

トランプも特別な対応

トランプは、バイデンが立候補するとすぐにツイートで反応した。そのことが、トランプが直面している状況をよく物語っていると、スティールは言う。「民主党の指名を争うほかのあまたの候補とジョー・バイデンを比べると、トランプの対応が違う」
  
トランプは25日朝、バイデンの立候補表明を受けて次のようにツイートした。「選挙戦にようこそ、スリーピー・ジョー(寝ぼけまなこのジョー)。君が予備選をうまく戦い抜くための知性を持っていることを祈るばかりだ――前々から怪しんでいたことなのだが。ひどい戦いになるだろう。君が相手にするのは、吐き気を催すようなとんでもなく狂った考えを持つ人間たちだからだ。君が勝利をおさめたあかつきには、出走ゲートで会おう!」

トランプはまた、現RNC委員長ロナ・マクダニエルが、バイデンと前大統領バラク・オバマが政権についていたときの経済実績を批判した内容のツイートをリツイートしている。

マクダニエルはこうツイートしていた。「ジョー・バイデンが記録を見たいと思ったときのために書いておこう。オバマとバイデンの8年間で、製造業の雇用者数は19万3000人も減った。トランプは2年あまりで、製造業で45万3000人の雇用を創出した。バイデンにアメリカを後退させてはならない!」

ジェイソン・レモン