23日、TBS「バース・デイ」では、埼玉西武ライオンズの2軍監督に就任した松井稼頭央を特集。引退後、指導経験がないまま2軍の監督となり、浅村栄斗や菊池雄星が抜け、主力選手の大半が30歳を超える西武の新たなスター選手の育成に奮闘する姿を伝えた。

去年9月、現役引退会見を行うも、この時すでに球団から2軍監督就任を打診されていたという松井。「当然悩みましたし、果たして自分がその場所ができるのかどうか、色んなことも考えました」と悩む彼の背中を押したのが、1軍監督の辻発彦だった。

昨季、テクニカルコーチを兼任する松井をそばに置き、シーズンを通して指導のイロハを伝えてきた辻監督は、CSでソフトバンクに敗れると悔し涙を流した。これを間近で見た松井は「1軍に帯同させて頂いて、正直監督が涙するとは思ってなかったですし、ああいう姿は初めて見たので次は優勝、日本一を勝ち取って、辻監督の男泣きをみんなに見てもらえるように」と意気込む。

そんな松井は、2月頭からスタートした2軍の春季キャンプで野球界の常識を覆す行動に。それは選手の過去のデータをあえて無視するというものだ。「データは頭に入れないです。それは去年までなんで。僕は今年からなんで」と言い切る松井は「今年のオフ、選手がやってきた自主トレ、今年の春をどう迎えてくるのかっていうところを見ていきたい」と続けた。

その背景には、自身のプロ1年目、2軍戦で24個のエラーを記録するも、松井の才能を信じて1軍に引き上げた当時の監督・東尾修氏の存在がある。
「東尾監督と出会わなかったら、今の僕はないと思っています。しっかりと継承して若い選手にしっかり伝えていけるように」と語る松井は、去年まで現役だった強みを生かし、守備やバッティングの見本を直接選手に見せて指導するなど、次のスター選手発掘に力を尽くしている。