“元日の国立”ではない天皇杯決勝。第三者の評価は?
国内で行われる日本代表の親善試合は、第三者がいないので話は単調になりやすい。頑張れニッポン一辺倒の応援報道に陥りやすい。客観的な視点で! と叫べば、変わった日本人に見られかねないが、Jリーグはそうではない。観戦者に第三者は明白な形で存在する。テレビ観戦者は、そちらの方が断然多い。
現在の天皇杯にはかつてのようなブランド力がない。元日の昼間に行われるなら、風物詩としての魅力も手伝い、注目度は増す。テレビの視聴率もそこそこ行くだろう。しかし、12月9日18時キックオフでは視聴率は知れている。かつてが10%だとすれば2〜3%がいいところだろう。地味になってしまったイベントを盛り上げるためには、両軍がいい戦いをするしかない。レベルの高いスペクタクルな試合。その努力が乏しい気がしてならない。
報じる側にも言いたい。視聴者の大半は当事者ではない。浦和、仙台のファンではない。問われているのはバランスで、冷静な分析と的確な評論が不可欠になる。時には厳しめの意見も必要。でないと不自然で嘘臭い。
プラスアルファの魅力がすっかり消えた天皇杯決勝。見たかったのはそれを圧してあまりある試合だが、僕という第三者の評価は低め。Jリーグで断トツの予算規模を誇る浦和レッズが、ホームで予算規模17番目の仙台に辛勝する姿は、まさに突っ込み所満載。讃え方はもう少し辛辣であるべきだと思う。
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スポーツライター杉山茂樹氏の本音コラム。