2019年11月に向け、電力大手が顧客囲い込みに動きだしたワケ
イオンは50年までに店舗で排出するCO2排出量をゼロにする目標を掲げており、新サービスでCO2排出削減と消費需要の喚起を両立する。中部電にとっては買い取り契約更新に限らず、総合エネルギー事業者として顧客とのつながりを保つ手段となる。
一方、東京電力ホールディングス(HD)傘下の電力小売りベンチャー、TRENDE(東京都千代田区)は、11月から深夜時間帯(蓄電タイム)の料金単価を抑えた蓄電システム専用の電気料金プラン「あいでんき」を設定した。卒FITでは、余剰電力をためて自家消費する家庭用蓄電池の普及拡大も見込まれており、先手を打った格好だ。
当面、対象にするのはすでに約1万台が普及している伊藤忠商事の一般家庭向け蓄電システム「スマートスターL」のユーザー。伊藤忠は11月1日、気象予報に合わせて人工知能(AI)で最適に充放電を遠隔制御するサービスを導入し、両社の共同歩調でウィン―ウィンの関係を狙う。AIは伊藤忠が資本・業務提携する英国の蓄電池ベンチャー、モイクサ(ロンドン)のソフトウエアを採用。モイクサには東電HDも出資しており、そこが接点となった。
太陽光発電協会によると、住宅用太陽光発電のFIT切れは19年度末(20年3月末)で50万件に達する見通し。このほか電力大手では、卒FITの余剰電力について東北電力、北陸電力、関西電力、中国電力、九州電力が買い取り継続の方針を表明し、差別化のための関連サービスも検討している。
(文=青柳一弘)
