12兆ドルの経済価値を持つ「SDGs」、重要視する企業がじわり増えてきた
17分野の目標
SDGsは社会・経済・環境の課題を網羅し、すべてを解決した世界像を目標にした。食糧や健康、水の衛生など17分野の目標がある。国連が15年9月に採択し、企業に本業で目標達成に貢献するよう求めた。
日常業務から
日本企業ではICT関連企業の取り組みが先行。富士通は「人工知能(AI)を活用した新薬の開発支援や、東北大学、国連開発計画(UNDP)と連携した災害統計データベース構築など」(田中達也社長)に取り組んでいる。
その他の企業でもトップの意識は高まっている。OKIは「IoT(モノのインターネット)を活用した事業で、SDGsの達成に貢献できるものを展開する」(鎌上信也社長)方針。「世界」「国連」と言うと敷居が高く感じられるが、日常の業務でも取り組める目標がある。鵜浦博夫NTT社長は「16年9月にSDGsへの賛同を表明し、我々の大きな目標としている」と期待する。
SDGsと密接な関わりがある上下水道設備を手がけるメタウォーターは「仕事の内容が変わるわけではないが、SDGsに対応して社外へ説明できるようにする」(中村靖社長)とする。ジーテクトは「専門部署を立ち上げ、事業にどう絡めるか検討している」(高尾直宏社長)段階だ。三井住友フィナンシャルグループも「各事業部門の業務計画にSDGsをどう達成するかを求めていきたい」(国部毅社長)とする。
12兆ドルの価値
海外企業はSDGsを市場ニーズとして読み込む。国連は17の目標それぞれに達成手段を示した「ターゲット」を設定している。ターゲットの一つ「非感染症疾患(がんなど)による早期死亡を予防や治療を通して3分の1に減らす」は医療・ヘルスケア、「交通事故による死者を半減」は自動運転へのニーズと読める。
世界経済フォーラム(ダボス会議)はSDGsを達成すると12兆ドルの経済価値が生まれると試算する。インドネシアやカンボジアなど新興国は、SDGsを参考に開発計画を策定している。社会問題解決と企業の成長を両立するには、企業の事業戦略にSDGsを組み込み、新興国で生まれるビジネスを取り込むことが求められている。
