Windows 10画面がモノクロに? 「色覚多様性」対応とカラーフィルター設定方法とは

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Windows 10には、画面の色を見やすく設定する「カラーフィルター」という機能が用意されている。これは、「色覚異常」「色盲」のユーザー用に画面を見やすくするための設定だ。

今回は、その設定方法を紹介しよう。
なお、その前に、日本遺伝学会から提案された用語の変更から確認しておこう。

●「色覚異常」「色盲」という言葉は「色覚多様性」に変更へ
色の見え方は、全員が同じではない。
人によっては「赤と緑」「茶と緑」などの隣り合った色が見分けにくいことがある。

いわゆる、「色覚異常」や「色盲」といった遺伝的な異常によるものだ。
ただし、けっして珍しいことではなく、日本人男性は約5%、女性は0.2%が該当する。
ヨーロッパでは地域によっては9%が「色覚異常」だという。
また、色覚異常だからといって、日常生活に特別な問題が生じるわけでもない。

そこで、2017年9月、日本遺伝学会は、
誤解や偏見につながりかねないということから、「色覚異常」や「色盲」を「色覚多様性」という呼称で統一することを提案している。

●「色覚多様性」のユーザーに見やすい設定に変更する
Windows 10の Fall Creators Updateからは、この「色覚多様性」に対応する設定が用意されている。

まずは、[Windows]+[Ctrl]+[C]キーを押してみてほしい。
画面全体がグレースケールになるはずだ。
もう一度、[Windows]+[Ctrl]+[C]キーを押すと元に戻る。

この[Windows]+[Ctrl]+[C]キーで切り替わる色の組み合わせが、「色覚多様性」のユーザー向けの設定だ。
初期設定はグレースケールだが、設定を変更すると、より見やすい色の組み合わせにもできる。

設定方法は次のとおりだ。


アクションセンターを開いて、[すべての設定]を選択する。



[簡単操作]を選択する。



左側のメニューで[色とハイコントラスト]を選択し、[カラーフィルターを適用する]をオンにする。



[フィルダーの選択]でフィルターを選択する。選択すると画面の色がすぐに変化するので、最も見やすいフィルターを選択しよう。


設定は以上だ。
前述の[Windows]+[Ctrl]+[C]キーは、ここで選択したカラーフィルターの有効/無効を切り替えるショートカットキーだ。
キーを押すごとに色が切り替わるので、通常の色だと見づらい場合は、覚えておくと便利だろう。

なお、データをクリップボードにコピーする[Ctrl]+[C]キーと似ているため、コピーするときに[Windows]キーも同時に触ってしまい、画面がグレースケールになって慌てしまうケースもあるようだ。

もう一度、[Windows]+[Ctrl]+[C]キーを押すと元に戻るので、もしも周りに、「画面がモノクロになった」「画面の色がおかしくなった」等で困っている人がいたら、アドバイスしてあげよう。

日本遺伝学会の遺伝学用語改訂について
日本眼科学会


井上健語(フリーランスライター)