強力打線の迫力を際立たせる「隠し味」 西武・外崎は何がスゴイ?
侍でも大暴れ、2018年ブレイク必至の西武・外崎
埼玉西武の外崎修汰が今季からレギュラーに定着。アマチュア時代から定評のあった走力とパンチ力を、1軍の舞台でも発揮し始めている。秋山や浅村、山川といった看板打者につなぐため、下位打線からチャンスを演出する存在として、チームにおける存在感も高まってきているところだ。
実家がりんご園を営んでいることでも知られる外崎は、アマチュア時代に地元・青森の弘前実業高校と岩手・富士大学で活躍。2014年ドラフトで埼玉西武に3位指名され、遊撃手のレギュラー候補として期待を寄せられた。
1年目から1軍で43試合に出場。7月25日の北海道日本ハム戦でプロ初本塁打を放つが、一度はファウルと宣告され、ビデオ判定で認定された。2年目には遊撃手として開幕スタメンに抜擢されて期待をかけられるものの、最終的には2年続けて打率1割台に終わる。打撃面でプロの壁に当たった上に、守備でも安定感を欠き、なかなか1軍定着を果たすことができずにいた。
中島(現・オリックス)が退団して以降、埼玉西武にとって正遊撃手のポジションは課題となり続けていた。ただ、今季ルーキーの源田がその穴を埋めたことによって、大きく状況が変わることに。今まで内野手の経験しかなかった外崎も、出場機会を求めて外野手に挑戦。すると元々持ち合わせていた脚力と強肩が存分に生き、外野手としてのスタメン起用が大幅に増えることになる。
今季は最終的に自身初の規定打席に到達して、打率.258をマーク。10本塁打を記録するパンチ力と、リーグ5位の23盗塁を決めたスピードを生かし、チームのAクラス入りにも大きく貢献。完全にレギュラーの仲間入りを果たした。試合終盤には内野に移動することも多く、幅広い起用法に応える器用さでもチームの助けとなっている。
強力打線の迫力を際立たせる「隠し味」
24歳以下または入団3年以内の若き日本代表にも選出され、11月16日から行われた「ENEOS アジア プロ野球チャンピオンシップ2017」では、左翼手または三塁手として全3試合に先発出場。6安打1本塁打4打点、打率.462と大暴れし、大会MVPに輝いた。
今季から埼玉西武の主力に定着し、4番として豪快なバッティングを披露している山川は、外崎にとって大学の1学年先輩にあたる。山川のような強烈なパワーはなくとも、26回試みて失敗はわずか3つという盗塁技術や、試合中の様々な選手交代を可能にするユーティリティー性など、走攻守の全てにおいて潤滑油のような働きを見せる外崎選手もまた、チームにとって非常に貴重な存在だ。
「なんとか自分が上位打線につなげれば点数を取ってくれると思っているので、自分の役割を必死に全うしています」と語った外崎。「つなぐ意識」が、結果的には打撃の確実性、打席での粘り、塁状況と相手バッテリーの力量を見極めた上での走塁など、様々な面で良い影響を及ぼしているようだ。
若手の台頭で新時代へと突入した埼玉西武にとって、強力打線の迫力を際立たせる「隠し味」としての外崎の活躍は、これからますます欠かせないものになるだろう。(「パ・リーグ インサイト」望月遼太)
(記事提供:パ・リーグ インサイト)