レアル・マドリーが史上初の連覇を遂げた3日のチャンピオンズリーグ（CL）決勝で、涙をのんだユヴェントス。本拠地トリノの街は、サン・カルロ広場でのパブリックビューイングの最中に混乱が生じ、大勢の負傷者が出る事態となってしまった。

イタリア『ガゼッタ・デッロ・スポルト』が報じたところによると、トラブルが起きたのはマドリーが3-1とリードを2点に広げた後の現地時間22時15分ごろ。突然、観戦していた人々が逃げ出し始めたという。目撃者は『Rainews24』で次のように証言した。

「誰かが爆弾だと言いながら爆竹を投げたんだ。突然、自分も地面に倒された」


だが『ガゼッタ』によると、そのような叫び声は聞こえなかったという証言もあるとのこと。いずれにしても、人々が逃げようと殺到したことで混乱が生じて負傷者が出た。数分後にも人々が逃げ惑い、将棋倒しになる事態に発展したという。原因は不明だそうだ。


現場にいたという『ガゼッタ』の記者は、次のように説明している。

「我々は恐怖に包まれた。不思議な騒音が2度繰り返されたことからすべてが始まり、全体的なヒステリーにつながった。広場の片側で起きたことで、移動しようとしたが、人が多すぎて難しかった。直後に広場の別のところで同じことが起き、たくさんの人が負傷し、地面に倒された。冷静を保つのは難しかった。その間に我々はケガをした人や困っている人たちを助けようとしたのだが」


別の現場にいた目撃者はこのようなコメントを残した。

「救急車がどんどん来て、ケガ人もたくさんいた。深刻な事態の人もいるかもしれない。たくさんのマフラーやリュックサックが落ちていて、それを取るジャッカルのようなヤツらもいた。カオスだよ」


『ガゼッタ』によると、広場の地下駐車場に続く階段の欄干が落ちたことが原因という見方もあるようだ。いずれにしても、『ガゼッタ』によれば、治療が必要な人は少なくとも200名にまでのぼるという。さらに、2名が重体とのこと。


ユーヴェのアンドレア・アニェッリ会長は、試合に敗れた落胆の中で、本拠地で起きた悲劇的な事故に悲しみを表した。

「シーズンで最も重要な試合をユヴェントスが戦うという、喜びとお祭りの夜になるはずだったのに…。ここカーディフから、負傷した大勢の人たちのことを想う。来年、（CL決勝の地）キエフで彼らとまた会えることを願うばかりだ」

欧州では先日もマンチェスターでアリアナ・グランデのコンサート中にテロ事件が起きたばかり。大勢の人が集まるイベントで何かがあれば、すぐに混乱につながるのは避けられない。欧州サッカー界最大の祭典でこのような事態になったことは残念だ。