ナイキの定番スニーカーのひとつであるエアマックス(AIR MAX)と言えば、日本でも大流行して「エアマックス狩り」と呼ばれる社会問題を引き起こしたエアマックス 95など、さまざまなモデルが存在する人気スニーカーのひとつ。そんなエアマックスが誕生したのは1987年のことで、その初代モデルである「エアマックス1」は現在でもナイキのスニーカーラインナップに名を連ねています。このエアマックス1のファンとデザイナーたちの変態的なまでのこだわりが知れるムービー「Behind the Design: Return of the 1」が公開されています。

Behind the Design: Return of the 1 - YouTube

ムービーは「ナイキエアーは単なるシューズじゃない。ムーブメントだ」と男性が語るシーンからスタート。



「初めてエアマックス1を見た時は、アート作品を見ているかのようだったよ」







「新しいアートに出会って、無条件に感動した時の『ワォ!』っていうあの感じだよ」と語るのは、アフリカ初のヴィンテージスニーカー専門店の代表を務める@afrokixさん。



「『黄金時代』と呼ばれる初期のエアマックス1は、滑らかでカーブに沿って磨き込まれているんだ」





そう語るのは、ナイキのシューズを愛してやまないスニーカージャンキーでグラフィックデザイナーの@vanwilljamzさん。



「オリジナルのエアマックス1の形を再現するのはとても難しいわ」と語るのは、女性向けスニーカー専門サイトのGirl on Kicksを運営する@girlonkicksさん。



他にも多数のスニーカー愛好家たちがムービーの中で初代エアマックス1についてコメントを残していきます。

「でも年月と共に変わってしまったんだ」



「『黄金時代』の後、オリジナルの形から変わってしまったんだ」





どこがどう変わったのかについては、@jerileneさんが「トゥボックスが……」と語り始め……



さらに別の男性が「少し膨らんでいった感じだ」と、その変化について語ります。加えて、「ちょっとぶ厚めで、高さも変わり、全体的にボテッとした印象になってしまったんだ」「オリジナルの『あの感じ』がなくなってしまったんだよね」と、ナイキの公式ムービーにもかかわらずこれまでのエアマックス1について言いたい放題です。



「結構みんなそこに気づいているなぁって」と語るのは@moremixさん。



スニーカーというのは、「クラシックカーみたいなもので、新しいモデルは手に入るけど、発売当初のモデルとは比べられないんだ」と、初代モデルと同じような形のエアマックス1が手に入らないことを嘆く声も。





そんなスニーカー愛好家たちの声を受け、やってきたのはビーバートンにあるナイキ本社。



「世の中の皆さんが『エアマックス1のシェイプに満足していない』と聞き、これは解決しなければと思いました」と語るのは、ナイキのシニアプロダクトラインマネージャーであるTanner Marshallさん。



そしてさっそくエアマックス1の見直しが始まります。





「ナイキでは常にお客様の声に耳を傾けるようにしています」「ただ、もちろん私たち自身もスニーカー好きな消費者の一部でもあるので、ナイキの社員からも同じような意見が少なからずあがりました」と語るのはカラーデザインディレクターを務めるDevon McKinneyさん。



細部にまで細かく文字が書かれたデザインラフ。



この機械は……



ソールのかかと部分に埋め込まれるエアーを製造するためのマシンでした。



「フットウェアは進化していくものです。ただ、オリジナルのものを振り返ってみると、最新の技術を取り入れることで小さな変更や機能面での改善が生じ、確かにシューズ全体の形を変えてしまうこともあります」と語るのはフットウェアデベロッパーのEmily SimmonsさんとHeather Moreauさん。



真っ白なエアマックス1を手に細かい修正が案が出されていきます。



「ナイキの社内・社外で多くの人に話を聞くことで、様々な意見を取り入れ、黄金時代のシェイプを復活させることが今回のミッションでした」と語るのはシニアフットウェアデザイナーのLee Gibsonさん。



スニーカーに使用する生地や繊維にいたるまで徹底的にこだわり抜かれており……







マテリアルデザイナーのCaroline Fullertonさんいわく、「オリジナルのシェイプを研究し尽くそうと、顕微鏡まで使われました。使われている素材も、オリジナルのものとまったく同じにしたかったんです。もちろん品質の向上は忘れていませんよ」とのこと。



「シュータンを3つのパーツから構成し直し」



「ツーリングのテキスチャーと仕上げも変更」



「特にトゥー部分のシェイプには時間をかけています」



「マッドガードやスウッシュも以前と同じように配置されるよう見直しています」



「細部までこだわり抜いたプロセスでした」というわけで、2017年モデルのエアマックス1が完成。



原点回帰に成功したエアマックス1を手にご満悦な表情を浮かべるスニーカーラバーたち。











「2017年は最高の年だ!」という台詞でムービーは終了しますが、2017年モデルのエアマックス1を手にするスニーカーファンたちの表情を見ればその出来栄えがよくわかります。