現代のサッカー界を牛耳っているのは代理人だ――そんな声は後を絶たない。実際、イングランドのクラブが代理人に支払っている金額は、わずか1年で38%も増えているという。英『BBC』が報じた。

『BBC』によると、プレミアリーグのクラブが代理人に支払っている金額は、1億3000万ポンド(約178億7000万円)から1億7400万ポンド(約239億2000万円)に増えたとのこと。2部のチャンピオンシップでも、4240万ポンド(約58億3000万円)と前年比62%増だ。


イングランド全体では、1億6000万ポンド(約219億9000万円)から2億2200万ポンド(約302億4000万円)に増えている。

プレミアリーグで最もエージェントに高額を支払っているのは、2630万ポンド(約36億1000万円)のマンチェスター・シティ。2510万ポンド(約34億5000万円)のチェルシー、1900万ポンド(約26億1000万円)のマンチェスター・ユナイテッドが続く。

一方で、2014年10月から2015年9月までの1年間で1430万ポンド(約19億7000万円)とプレミアリーグ最高額を支払っていたリヴァプールは、1380万ポンド(約19億円)に“投資額”が下がっている。

2016-17シーズンでプレミアリーグのクラブが移籍に投じた総額は、13億8000万ポンド(約1896億8000万円)。2シーズン前と比べると、43%も増えている。当然、代理人の手数料も増す。

クリスティアーノ・ロナウドらのエージェントであるジョルジュ・メンデスや、ズラタン・イブラヒモビッチらのマネジメントを担当するミーノ・ライオラなど、大物代理人の存在は今やメガクラブでも無視できないものとなった。今後もその傾向が続きそうだ。

だが、レアル・マドリーのガレス・ベイルをマネジメントするジョナサン・バーネット代理人は、エージェントが不当な利益を手にしているわけではないと主張している。

「エージェントの評判が悪いのは、誰もエージェントとは何かを本当に理解していないからだ。選手を売ろうとあちこちのクラブを走り回っているように思われる。トレーダーとかブローカーみたいにね。そういう代理人はごくわずかだ」

「我々はクラブでも、ほかの誰でもなく、選手たちのことを気にかけている。そうすることで、彼らの生活が適切になるように努めている。あらゆる問題に対処し、彼らの生活がとても簡単になるようにして、彼らがサッカーに集中できるようにするんだ」

「我々はふさわしい金額を支払われている。選手のために良い仕事をすれば報酬をもらえるし、悪い仕事ならもらえない。生きていくだけを稼ぐことすらできていないエージェントはたくさんいるんだ。良い仕事をしなければいけない。そうすれば、適切に支払われるんだ」