キーワードはひとめぼれと幼なじみ!? 荒牧慶彦×神里優希の初恋エピソード
写真撮影のさなか、荒牧慶彦が神里優希の顔をまじまじと見つめ「目、茶色いんだね」とつぶやき、神里は「そうなんです」と笑みを浮かべてうなずく。少女漫画の1シーンのようなやり取りに、見ているこちらがドギマギさせられてしまった! このまま恋人同士を演じてもらいたいところだが、TEEN×TEEN THEATER「初恋モンスター」でふたりが演じる役柄の関係性は親友同士である。しかも、見た目はバリバリ大人なイケメンだが、ふたりとも実は小学5年生という役どころで、とくに荒牧が演じる少年は、女子高生と交際!? ある意味、ふたりが恋人同士を演じるよりも、刺激的な物語が展開しそうだが…?

撮影/川野結李歌 取材・文/黒豆直樹 制作/iD inc.
ヘアメイク/小田昌弘、佐藤美紗(coo et fuu)





小5男子とJKのまさかの恋にドキドキ!



――さっそく、作品についてお話を伺ってまいりたいところですが、先ほどの荒牧さんの「目、茶色いんだね」発言の余韻がまだ…(笑)。

荒牧 いや、ただ素直に感想というか、事実を述べただけですけど!(笑)
神里 あれはドキッとしますよ。好きな男の子に「髪切ったんだね?」って気づいてもらえた女の子の気持ちがわかりました(笑)。

――本作は、『ARIA』(講談社)にて連載中の日吉丸 晃さんの人気同名漫画が原作です。世間知らずな女子高生・二階堂夏歩(奥田こころ)の初恋がコミカルに描かれますが、彼女が恋に落ちたのは小5男子! この設定を聞いただけでも、かなり…。

荒牧 斬新ですよね。普通の少女漫画なら、同級生や年上の先輩、あっても先生が相手だけど、まさかの小学5年生!
神里 自分が小5のとき、高校生と付き合ってる子なんていなかったですからね(笑)。



――荒牧さんが演じるのは、夏歩の恋のお相手で、生意気盛りの小学5年生・高橋 奏。神里さんは、奏の親友の“ギン”こと三宮銀次郎を演じます。

荒牧 小5男子ですからね。いつになくハイテンションで臨まないと。
神里 「うんこ」とか、そういう類の言葉…いや、もっとスゴいのがバンバン出てくるんですよ(笑)。でも、そういう言葉を純粋な気持ちで言わなきゃいけない。大人が口にする下ネタじゃなくて…。
荒牧 いやらしい意味じゃなく、純粋にその言葉が大好きで言ってるんだよね(笑)。原作でもギンが「別に(うんこ)そのものが好きなんじゃなくて、響きが好き」ということを言いますけど。とりあえず、口に出したいだけ(笑)。




久々の体操着&ランドセルは「想像以上のインパクト」



――すでにビジュアルが発表されていますが、荒牧さんは体操着、神里さんは赤い蝶ネクタイ&半ズボンで、ともにランドセルも装着! 原作のビジュアルを完コピしていると話題です。

神里 何度か着させてもらって、徐々に慣れたけど、最初はインパクトが強すぎて…(苦笑)。
荒牧 実際、着てみると、想像以上にインパクトありましたね。体操着にランドセルって懐かしい!(笑) 15年ぶりくらいですからね。
神里 奏を見て「カッコいいー!」って思いましたよ。
荒牧 ホントに?(笑) まあでも、ギンにしろ、他のキャラクターにしろ、みんな似合ってるなって思います。まず、ビジュアル面に関しては大丈夫だなって。



――本作の魅力は、どんな部分だと感じていますか?

荒牧 原作のハイテンションなコメディの勢いをそのままに、演出・脚本の川尻恵太さんが上手に舞台としての起伏をハッキリさせてるんですよね。盛り上げるところは盛り上がるし、バカなところはとことんおバカ。シリアスな部分は、ちゃんとシリアス! でも…。

――でも…?

荒牧 そのシリアスなシーンも、ビジュアルはコミカルだから(笑)、そのギャップが面白い。
神里 クライマックスは、意外と泣けそうな雰囲気なんだけど…。
荒牧 いい感じの雰囲気だよね。でも、冷静に見たら「いや、おかしいだろ! 何やってんの? この人たち…」って突っ込みたくなる。



神里 縄跳びとかフラフープをやるのを生で見られるのは舞台ならではですね。
荒牧 いままで、舞台で剣技とかは一生懸命、練習してきたけど、まさかの縄跳びとフラフープ! あとピアニカね。ピアニカ、久々に弾いたわ!(笑)
神里 マッキーさん(荒牧)が稽古場で一生懸命、二重跳びを練習してるんですよ(笑)。

――見た目が大人なのは、奏と銀次郎と佐川大樹さんが演じる“トム”こと金子十六の3人だけで、他の登場人物は年相応ですね。夏歩を演じる奥田こころさんは13歳。奏や銀次郎の友達の、野口一男(カズ)を演じるシェーンくんも12歳です。

荒牧 こころちゃんは中1、シェーンは小6ですよね。まだ稽古が始まったばかりで(※取材が行われたのは2月上旬)、探り探りの段階で“壁”を壊せてないですけど…。稽古前にみんなで人狼ゲームをしたりして、少しずつ、壁を取り除こうとしてる段階です。



神里 シェーンはもうだいぶ距離が近いよね? 役柄の上でもカズは、僕らを叱ったりするんです。こないだの稽古前の人狼ゲームで、大人たちが意外とハシャいでしまって、じゃあ、ここから稽古始めるよってなったとき、シェーンが「切り替え! 切り替え!」って(笑)。
荒牧 大人たちがみんな「はーい」ってね(笑)。
神里 奏とギンとトムは3人でひとつで、そのバカたちをカズがコントロールするところがあって。
荒牧 その絵が既に面白い!

――夏歩役の奥田さんは、ひとりだけ女の子で、大人たちに囲まれて…。しかも、その大人たちが、役の上とはいえ「うんこ」とか連呼してる状況です(笑)。

荒牧 これどう思われてるのかな…(苦笑)。思春期の女の子ひとりで、いろいろと不安や気苦労はあると思うけど…。
神里 ただ、中1とは思えないくらい、大人ですよね? なんなら僕らよりも…(笑)。



――おふたりは、年齢の上ではすでに正真正銘の大人ですが、いまだに子どもっぽい部分もお持ちですか?

神里 いまだにウルトラマンとか仮面ライダーとか、トミカの自動車とか見るとテンション上がっちゃうんですよね。「え? いまってこんなのあるんだ!」って(笑)。
荒牧 あるね、そういうの! 僕は子どもの頃からゲームが好きで、いまだにそこに関しては、子どもっぽいなぁって我ながら思いますね。



子どもの頃にマネしてた必殺技を舞台で熱演!



――今回、初共演ですが、お互いの印象は? ここまで一緒に過ごして、見えてきた意外な発見などはありましたか?

荒牧 優希は大人ですね。すごく落ち着いてるし、考え方や物事の捉え方がすごくしっかりしてるなと思います。まあ、まだそこまで深くは踏み込めてないのでこれからかな? まだ殻に覆われて、見えない部分がありそうだし(笑)。
神里 マッキーさんは「さわやかなお兄さん」というイメージですね。ときどき見せてくれる笑顔がメッチャ好きなんですよ!




荒牧 というか、いくつ違うんだっけ? 優希、いま何歳?
神里 22歳になったところです。
荒牧 じゃあ学年でいうと5歳差か。

――劇中の奏と夏歩が小5と高1で5歳差ですから、同じ年齢差ですね。

荒牧 おぉっ!
神里 そう考えるとすごいですね…。大人なら、5歳くらいの差なら関係ないと思うけど…。
荒牧 僕が高1のとき、優希は小5か…。




神里 なんか、すいません(苦笑)。
荒牧 いや、「すいません」て何?(笑) 小5から見て、高1なんてメッチャ怖いじゃん! 中学生でさえ怖いのにね。

――おふたりは奏やギンと同じ小5の頃は、どんなお子さんでしたか?

荒牧 遊ぶのが好きな子どもで、いつも友達と野球したり、キックベースしたりしてましたね。

――当時、遊びやTVで流行っていたものは?

荒牧 『遊戯王』とか『ベイブレード』とか、カードゲームはみんなやってましたね。あと、ドラマで『ごくせん』(日本テレビ系)を見てました。 第1シリーズが小学生の高学年で、第2シリーズが中学になってからかな? 同じ頃に『野ブタ。をプロデュース』(日本テレビ系)もやってて、修二と彰の『青春アミーゴ』も流行ってた!
神里 懐かしい! その頃はまだ小学生でした。僕はサッカーばかりやってました。当時はスマホもなかったし、いつも外で遊んでました。『テニスの王子様』のアニメが流行ってて、「やべぇ! テニスってこんなことできるのか」って(笑)。
荒牧 俺もマネしてたよ! 部活がテニス部だったし。まさか数年後に自分がマネしてたものを舞台の上でやることになるとは(笑)。



――小学生当時の、将来の夢は?

荒牧 父親がシステムエンジニアだったんで、自分も「システムエンジニアになりたい!」って言ってましたね。

――システムエンジニアって何をする仕事なのか、わかってたんですか?

荒牧 いや、全然(笑)。父親の職場に連れて行ってもらったとき、働いている姿がすごくカッコよく見えて、何をやってるのかわかんないんだけど、とりあえず「システムエンジニアになる!」って言ってました。周りに自慢げに「俺の親、システムエンジニアだから」って(笑)。子どもは横文字大好きだから。
神里 僕はプロサッカー選手でしたね。ちょうど、僕が子どもの頃に海外に出ていく選手が増えてきて、自分も「いつか海外で!」とか思ってました。大久保嘉人選手とか、中村俊輔選手とかが好きでしたね。