『A LIFE〜愛しき人〜』公式サイトより

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 国民的タレントにも世代交代の波が到来か。元SMAPの木村拓哉(44)が主演を飾る日曜ドラマ『A LIFE〜愛しき人〜』(TBS系)の第4話が、平均視聴率12.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区、以下同)をマークした。前話の13.9%よりもさらに数字を落とし、22.5%を叩き出した裏番組『世界の果てまでイッテQ!10周年アワード イモトWT(ワールドツアー)99か国の奇跡2時間SP』(日本テレビ系)に水をあけられた格好だ。

■キムタクの”横綱相撲”が不調?

 第4話では、木村文乃(29)演じるオペナース・柴田由紀の進退をめぐってストーリーが展開。「病院をやめる」とまで言い出した柴田は、医学部に入る夢が閉ざされた過去を告白。そしていくら頑張っても「ナースは医者に勝てない」と卑下する。

 翌朝明らかになった視聴率は12.3%。まずまずの結果に思えるが、徐々に数字を落としていること、億単位ともウワサされる莫大な制作費のことを考えれば、TBSも悠長に構えていられないだろう。一体なぜ数字が下り坂なのだろうか。

「前クールで大ヒットした『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系)のように目新しいアイディアが取り立ててあるわけでもない。『A LIFE』はいわば重厚な人間ドラマで押し切る横綱相撲にチャレンジしているわけだが、今のところ不調に終わりつつある」(芸能関係者)

 また『A LIFE』第4話の数字を食ったと目されているのが、20時から放送された『世界の果てまでイッテQ!』2時間SPだ。イモトアヤコ(31)の過去の旅を振り返る構成で、視聴者の関心をわしづかみ。22.5%を記録して『A LIFE』に約10%の差をつけた。

「イモトのコーナーはどれも筋書きのないリアルドキュメンタリー。展開が読めないだけに、そこらへんのドラマよりコミカルかつドラマチックで面白い。逆に『A LIFE』はキムタクがキムタクのまま。キムタク人気で10%台をキープできているとも言えるが、裏を返せばキムタクの招く予定調和感が、視聴率ダウンの要因のようにも思える。今回の結果に関係者は衝撃を受けています」(前出・芸能関係者)

 2月12日の『世界の果てまでイッテQ! 10周年2時間SP〜イモトいよいよ100か国制覇へ!〜』は、19時からスタートする予定。『A LIFE』は2週連続のイモト襲来を避けられたものの、その分真価を問われることになりそうだ。

文・海保真一(かいほ・しんいち)※1967年秋田県生まれ。大学卒業後、週刊誌記者を経てフリーライターに。週刊誌で執筆し、芸能界のタブーから子供貧困など社会問題にも取り組む。主な著書に『格差社会の真実』(宙出版)ほか多数。