昔と比べて雑誌や本が売れないと言われていますが、最近は付録を目当てに雑誌を買う人が増えているそう。付録といえば、子どもの頃、科学雑誌の付録を楽しみにしていた人も多いのではないでしょうか。望遠鏡とか、あぶり出しセットとか、電気の実験セット……。想像しただけでワクワクしていました。今回は、雑誌「子供の科学」のお話です。


付録もワクワク! 日本一長寿の科学雑誌「子供の科学」



小さな頃、どんな雑誌を読んでいましたか?
子ども用の雑誌はカラフルで付録も多く、ワクワクしながら開いた思い出がありますよね。
子ども用雑誌で最も古く、さらに現在まで続いているものと言えば「子供の科学」ではないでしょうか。

「子供の科学」、通称「KoKa(子科)」が創刊されたのは、関東大震災の翌年。
大正13年のことでした。
創刊者は、科学解説者の原田三夫。
執筆していたのは、当時第一線で活躍している科学者たちでした。

大きな地震により大打撃を受けた東京が復興を目指して頑張っている、そんな最中に生まれた「子供の科学」。
創刊号の中身は、秋の七草の紹介や、自動車はどうして走るかの解説、月の満ち欠けのしくみ、雲の種類、レオナルド・ダ・ヴィンチについてなど、それはそれは盛りだくさん。
文字も小さめで、大人が読んでも難しいのでは、という文章。
子どもへの対応が現代とは少し違うことを感じます。

巻末には、折込図面が掲載されていて、工作少年たちの心をくすぐりました。
飛行機や天体望遠鏡、カメラや軍艦などの模型の作り方が連載され、当時の子どもたちは、それを見ながら夢中になって工作したそうです。
戦時中には「空襲からどう身を守るべきか」といった内容や、「窓ガラスへのテープの張り方」「ケガをした場合の止血法」など、苦しい状況の中での生き抜き方などを紹介。
現代の子ども雑誌では決して特集されないものも多くありました。

昭和39年の12月号では、なんとリニアモーターカーが登場!
ハイブリット車の仕組みなども書かれており、子ども用とはいえ常に時代を先取りしていた雑誌であったことがわかります。

「子供の科学」は今年、創刊から93年目に突入。
これからもずっと、子どもの好奇心に応え続けてくれることでしょう。

文/岡本清香

TOKYO FM「シンクロのシティ」にて毎週月〜木曜にお送りしているコーナー「トウキョウハナコマチ」。江戸から現代まで、東京の土地の歴史にまつわる数々のエピソードをご紹介しています。今回の読み物は、2月6日放送「日本一長寿な科学雑誌『子供の科学』」よりお届けしました。

<番組概要>
番組名:「シンクロのシティ」
放送日時 :毎週月〜木曜15:00〜16:50
パーソナリティ:堀内貴之、MIO
番組Webサイト:http://www.tfm.co.jp/city/


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