国内政治も混乱を続けている韓国

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「いま韓国は国が理性を失いつつあると感じる。(略)政治家は扇動し、大衆は集団狂気を噴出させている。理性が行方をくらまし、憤怒と感情、アブノーマルがのさばる国になった。すべてが滅びようとしているかのようだ」

 短絡的かつ他人の話を聞けない方々が、「ヘイトスピーチだ〜」とわめき出す前に言っておくが、これは朝鮮日報(日本語版)に掲載された<韓国はみんな狂っている、まともではない>というコラム記事。つまり韓国のメディアが、自国の現状を自虐的に嘆いて見せたのだ。

 確かにいま、韓国は苦境にある。経済は長く低迷し、政治はパク・クネ大統領がスキャンダル(注1)によって機能停止。米国と中国を二股かけたがゆえに、どちらからもキツい当たりを受けている。そして何よりも、今まで韓国が前言撤回しようと、約束を破ろうと、国際法違反しようと、とてつもない侮辱を浴びせようと、されるがまま──あげく最後は謝ってきた日本に、手厳しい反撃を浴びている。

 言うまでもなく韓国内の日本大使館や領事館前に建てられた<慰安婦像>(注2)を巡り、日本政府が取った対抗措置(注3)のことだ。なかでも10日ほどで戻されるはずと韓国も高をくくっていた駐韓大使の一時帰国が、官邸首脳によって引き延ばされたことの衝撃は大きかった。

 さすがの韓国(メディア)も深く反省して自虐記事を記した、ということなのだろうか?

「いや自虐記事はある意味、恒例行事。国内が乱れたり、国際的に赤っ恥をかくような事件があると、必ずこの手の記事が出る。で、嘆いたあげく最後は誰かに責任をなすりつける。この記事も、全文を読めば<韓国が狂ったのはパククネ大統領のせい>と結論付け、日本に対して<やり過ぎて悪かった>といった反省などは、少しも出てきません」(韓国通ジャーナリスト)

■<理性なき>国に日本人は……

 日本の反撃にショックは受けたようだが、相手国を慮るのではなく、すべては自国中心目線に帰結させる。 韓国は、いつもの反省なき韓国だった。ゆえに冷め切った日韓関係も、融和の糸口が見つからない。

「慰安婦問題を大きくしているのは日本」

 などと、河野洋平・元衆院議長は言う。が、慰安婦問題の捏造に大きく貢献した河野氏の言うことを、真剣に聞く人はいまい。いま日本人は、日韓関係をどうしたいと思っているのか? 最新の世論調査(注4)によると、

<韓国を外交や経済活動の相手国として信頼できない> →77.9%
<(慰安婦問題を最終解決した)日韓合意を韓国が守らないことを懸念する> →86.4%

 前述の駐韓大使一時帰国など、自民党政府の対抗措置も8割超の賛成を受けている。政党別に見ても、すべての主要政党支持者の間で政府支持が圧倒的に上回った。民進党支持者であっても、共産党支持者であっても。

 つまり日本国民は、ほぼ韓国を信用していない。経済的にも、日韓通貨スワップなど必要としていない。間違いなく、日韓は距離を置いた方がいい。

 しかし一部の声にあるように「断交だ」「絶縁だ」とまで結論付けてしまっていいものか。冒頭の朝鮮日報のコラムにも読むべき指摘があって、

「(韓国の次期)大統領の座をめぐる競争に参加した大勢の候補が、皆そろって無責任な方向へ疾走している」

「近視眼的利己主義と魂なきエリートが、韓国を衰退の道へと引きずり込んでいる」

 韓国の崩壊を最も喜ぶのは北朝鮮であり、中国共産党。日本にとっても危険が増大する。とても苦手なのは分かっているが、韓国にはもう少しだけ理性的になってもらいたい。

(注1)スキャンダル…いわゆるチェ・スンシル問題だけでなく、次々に噴出している。
(注2)慰安婦像…慰安婦像の呼称が相応しいかはともかく、<少女像>と呼んではいけないだろう。
(注3)対抗措置…慰安婦像だけの問題ではなく、日韓同意の反故、ウィーン条約違反などへの対抗が本質。
(注4)世論調査…FNN・産経合同世論調査。

著者プロフィール


コンテンツプロデューサー

田中ねぃ

東京都出身。早大卒後、新潮社入社。『週刊新潮』『FOCUS』を経て、現在『コミック&プロデュース事業部』部長。本業以外にプロレス、アニメ、アイドル、特撮、TV、映画などサブカルチャーに造詣が深い。Daily News Onlineではニュースとカルチャーを絡めたコラムを連載中。愛称は田中‟ダスティ”ねぃ