とにかく、寒い! 今シーズンの寒さのピークは、まさに今だと断言できる。だから、一緒にこたつに入りませんか? やきいもなんかを食べながら。……と言っても、寒空の下でですが。

ビジネス街という日常空間で、進化系やきいもを食べる


昨日(1月23日)から29日までの一週間、「品川シーズンテラス」のイベント広場にて「品川やきいもテラス」なる興味深いイベントが開催されています。


主催は「エクストリーム出社」などエッジの効いたイベントを展開している「株式会社タノシナル」(東京都中央区)。同社の天谷窓大代表に話を伺いました。
「『日本エクストリーム出社協会』では、日常空間で非日常体験ができる全く新しい過ごし方を発信しています。一方、僕の個人的な趣味に“やきいもの食べ歩き”がありまして。今、おいもは品種が物凄く幅広くて、カスタードみたいな食感のおいもがあったり、すごい進化を遂げているんですね。『いつも親しんでいるものの全く新しい進化系を体験できるイベント』というコンセプトと、自分の大好きな『やきいも』と結びつけました。みんなにとってありふれた存在であるやきいもの、全く新しい形を味わえるイベントです!」(天谷代表)
しかも、会場はビジネス街のビルの中。まさに、日常の中で非日常をおいしく体験できるイベントじゃないですか!

トロットロすぎて、ちぎると糸を引くやきいもを食べてみる


今回、イベントには9つのやきいも屋さんが出店しています。全て、天谷代表が「ぜひ、出店をお願いしたい!」と直接交渉に臨んだ腕利きの名店ばかり。
その中でも、特に記者が気になったのは以下の店舗たちです。

「倉田屋」(東京都北区)


同店、「壺やきいも」なる方法でおいもを焼き上げます。


熱対流式オーブンで焼いたあと壺に入れ、練炭の遠赤外線でじっくりと熟成させる。壺の中でおいもは空中に浮いているので、焦げ付かずしっとり仕上がるんですよ!

また、このお店は『芋ようかん』なるメニューも美味です。


実際に食したお客さんたちに感想を伺いましょう。
「冷めてるように見えるけど開けた瞬間に湯気が“むあ〜”って(笑)。周りはカリカリしてて、中はふんわりしてます。余分なものが入ってなくて、純粋にさつまいもの甘さです。思った以上に、すごい甘い! あと、バターがめっちゃ効いてます。並んで待った甲斐があったなと思います(笑)」

「HAPPY GATE」(山形県鶴岡市)


見えますでしょうか? 壺の内側の側面が黒くなってるのを。


おいもを焼いている過程でポタポタと汁が落ち、こんな内側になったらしい。これが樹液のようにジュワッと染みて、おいもが甘くなるのです。同店では、カスタードクリームのような肉質の「シルクスイート」という品種が扱われています。

「よっしーのお芋屋さん」(神奈川県藤崎市)
旅好きの店主「よっしー」こと吉川ゆうじさんが、ヒッチハイクや1人旅をして出会ったおいしいものを提供するお店。


「ホワイトスイート」「安納黄金(あんのうこがね)」を中心とした種子島産のいもを壺で蒸し焼きにし、じっくりとやきいもを作ります。



記者は、ここのやきいも「紅はるか」をいただきました!


もう、食感がトロットロ! そして、おいもなのにフルーティな甘みがある。ちぎったり口でムハっとすれば糸が引いてるし!


糖度にしたらどのくらいなんでしょうか? 味も香りも最上級の甘さで至福!

他にも、メロンより高い糖度の「糖蜜芋」など、やきいものイメージが一変するであろう新たな品種を会場では楽しむことができます。さつまいもの品種は、なんと15種類以上揃ってますよ!
さらに焼いた芋を冷やす「冷やしやきいも」など、各店がオリジナルで編み出した究極の調理法で仕上がったやきいもも多数です。

それだけじゃない。どうにも気になるのは、各店の車が異常におしゃれだということ。



ある意味、モーターショーに来ている気分も味わえるかも?

ビジネス街の空の下、なぜこたつに入っているんだ?


会場内には、屋外にもかかわらずこたつが用意されています。


強風が吹いておらず危険のない状況ならば、8つのこたつと3つのテーブル席へ自由に座ることができます。

ただ実は、初日である昨日は強風のためにこたつは用意されてませんでした。撮影用として特別に一個設置されてたので試しに座ってみると、シュールを心から実感します。ビジネス街のど真ん中、何をこたつに入ってやきいも食べてるんだっていう。背徳感と優越感が味わえるし、それでいてどこかほっこりする。こんなシチュエーションはなかなか無いはずなので、是非ともこのレアな機会を皆さんには享受していただきたいですね!

会場内は、やきいもに惹かれた女性ばかり!


それにしても、会場内は大盛況。どのやきいも屋さんにも行列が発生し、中には2時間待ちの店舗までありました。


主催者の予想を遥かに上回る数のお客さんが来場し、しかも圧倒的に女性ばっか! 印象としては、8割以上が女性でした。


「正直言って、こんなに女性の方が多いとは思いませんでした。『ビル街だからサラリーマンの方が昼休みにちょっと買いに来てくれるかな』くらいで想定していたんですが、まさかこのド平日にこんなに満杯になるくらいお越しいただけるとは(笑)。学生さんもですけど、主婦層とか大人の方の姿も多いですね!」(天谷代表)

真冬のビジネス街の空の下、老若男女がこたつに入ってレアなやきいもをムハっと食べる空間。「日常で非日常体験ができる」とは言い得て妙だし、まさに非日常な進化系やきいもを食すことができます。
(寺西ジャジューカ)