冬場は、蛇口から出る水の温度が低くなる。米を洗う時の水が冷たくてたまらない思いをしていないだろうか。ところで、米を洗ったり、浸しておいたりする際の水温によって、炊き上がりは変わるのだろうか。また、冬のお米の扱い方も気になるところだ。

冬によりおいしいご飯を炊き上げるには、何かコツがあるはずに違いない。そこで、お米マイスターに冬場の米を扱う注意点と、よりおいしく炊くコツを教えてもらった。

米の炊き上がりと水温との関係



冬は米を研ぐ水や、浸す水の水温が低くなるが、これにより炊き上がりは変わるのだろうか。ミツハシライスの五つ星お米マイスター金間正剛さんと白井玲子さんに聞いてみた。

「水温が低いことは、研ぐ際に特に影響が出ることはありません。ただ、浸漬する際には、お米の吸水スピードが遅くなります。そのため、冬場以外の通常の浸漬時間では、ご飯が硬く炊き上がる可能性があります。場合によっては、芯が残ってしまうでしょう」

冬場は水温だけでなく、より空気も乾燥する。これによる米への影響もあるそうだ。



「冬は空気が乾燥しているため、生米の保管中や洗米後に長時間ザル上げしている間に、乾燥しやすくなります。お米にひび割れが発生し、飯粒が割れてしまったり、ベチャベチャした食感になりやすかったりします」

冬においしく米を炊くコツ



水が冷たく、空気が乾燥していると、米の炊き上がりに変化が起こるようだ。金間さんと白井さんに、冬場においしくお米を炊くための注意点やコツを教えてもらった。

●米を洗うとき
「水が冷たいからといって、温水を使って洗米、浸漬をするのは避けてください。急激な温度変化となり、お米が割れてしまい、ベチャベチャな食感に炊き上がってしまう可能性があるためです。これは炊飯器・土鍋どちらを使用して炊く場合も同じです。

また、お箸やしゃもじなどを使うことは避け、夏場などと同じように手で優しく洗米しましょう。洗米が不要な無洗米もおすすめです」

●水に浸すとき
「お米の芯まで吸水できるよう、浸漬時間をたっぷりとっていただくことをおすすめします。2時間あれば芯まで吸水されます。この一手間が、ふっくらしたご飯に仕上がるポイントです」

●米の保管について
「できるだけ空気に触れないよう、密閉できるポリ容器などに移して保管することをおすすめします。洗米後のザル上げ放置は、お米が乾燥しやすいため避けたいものです。どうしても必要な場合は、濡れたふきんをかけるなどして乾燥を防ぎましょう」

冬も他の季節と同様に、ふっくらとおいしいご飯を炊きたいものだ。今回教えてもらった水温と乾燥の対策を行ってみよう。

(取材協力)
株式会社ミツハシ
五つ星お米マイスター 金間 正剛さん、白井 玲子さん
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