デスクワークで長時間座っていると、どうしても猫背になり、お腹がたるんでしまう。そして下腹部だけが出る「ぽっこりお腹」を形成してしまうのだ。どうすればこのぽっこりお腹を改善できるのか。実はわざわざ家で腹筋をやることなく、デスクワーク時に、周囲に気づかれずにぽっこりお腹を解消するトレーニング方法があるという。

パーソナルトレーナーの杉山舞さんに、そのデスクワーク中にコッソリぽっこりお腹を防ぐトレーニング法を4つ教えてもらった。



1.姿勢を正して、体幹部を強化する


「長時間同じ姿勢でいると、どうしても姿勢が悪くなってしまうものです。頭が前に突き出し、頭の重みが肩や背中にかかり、腰と背中が丸まってしまいます。こうして姿勢が悪くなると体幹部を使えず、身体に負担をかけてしまいます。ポイントは、日常の姿勢をより正しく意識して実践していくこと。そうすることで、体幹部分を自然と使えるようになり、結果ぽっこりお腹の改善につながります」

<やり方>
(1)背中を背もたれに付けず、浅めに座る。
(2)骨盤を起こし、背筋を伸ばす。
(3)お尻の下にあるゴリゴリとした骨「座骨」を椅子に押し付け、顎を引き、頭のてっぺんは天井に引っ張られているイメージを持ち、上半身を上下に引っ張り合いっこする。

「このように、慣れない姿勢をずっと意識するというのはとても大変なこと。まずは気付いたときに姿勢を正すようにし、何度も繰り返していくなかで、正しい姿勢の習慣がつきますよ」

2.お腹を凹ませて、腹圧を高める「ドローイン」


「腹筋は腹直筋、内腹斜筋、外腹斜筋、腹横筋と4つの層に分かれています。腹筋の中でも深層部にある腹横筋の衰えが、ぽっこりお腹が形成される原因です」

(1)息を吸って、吐きながらお腹を思いっきり凹ませていきます。おへそを背中にくっつけるようなイメージで。
(2)お腹を引き入れたまま、30秒キープする。
(3)終わったらお腹を楽に解放する。
(1)から(3)を数回繰り返す。余裕がでてきたらキープする秒数を増やし、強度を上げていけるとベスト。

3.骨盤を動かす隠れエクササイズ


「骨盤を前に、後ろに動かすことで、骨盤周辺のストレッチや腹部の強化につながります。クランチなどの腹筋と比べて地味な動きになりますが、じっくり丁寧に行うと、ほど良い疲労感を感じられますよ」

(1)骨盤を起こし、姿勢を正す
(2)腰(腰椎)を丸め、おへそを背中に引き入れる。(骨盤を後ろにした状態)
(3)お尻を後方に突き出し、骨盤を起こし、さらに前に突き出していく。(骨盤を前にした状態)
(2)と(3)を10回程繰り返す。

「腰に痛みを感じるときは無理せず中止してください。余裕があれば、回数を増やしていけると良いですね。ゆっくりと丁寧に、使っている部位を意識しながら動かしましょう」

4.椅子に座ったまま腹部トレーニング


「椅子に座ったまま、簡単な動作を行っていきます。上記のエクササイズに比べて少し動きがあるトレーニングです」

(1)お尻の横に手を置く。これが基本姿勢。
(2)軽く背中を丸め、上半身を前に移動させながらお腹の力でお尻を上げる。
(3)お尻を上げた状態で20秒キープする。
(4)基本姿勢に戻る。

「お尻を上げてキープすることで、腹部、特に下腹部の強化につながります。お尻が上がらない場合は、上げようとするだけでも腹部にアプローチできているので、あきらめないで継続してみてくださいね。余裕があれば30秒、40秒延ばしていきましょう」

さらに余裕のある場合、下記のように動作をプラスすると難易度を上げられるという。

(1)お尻の横に手を置き、基本姿勢に。
(2)軽く背中を丸め、上半身を前に移動させながらお腹の力でお尻を上げる。
(3)お尻を上げた状態のまま、足を正面に向けて伸ばしていく。
(4)その状態のまま足の曲げ、伸ばしを10回ほど繰り返す。

実際にやってみると、それぞれの方法が腹筋に響くのが分かる。また、いずれもコッソリ、デスクワーク中にできる方法ばかりだ。人知れず、お腹ポッコリを改善していこう。

(取材協力)


パーソナルトレーナー 杉山舞さん
学生時代過度な食事制限により摂取障害を経験。その後「綺麗に痩せる」をテーマに食事、ヨガ、ピラティス、パーソナルトレーニング等ダイエット知識を習得。現在は調布・新宿のダイエットボディメイクジムを主催。下半身痩せ、姿勢改善トータルバランス調整に定評がある。
http://www.atstylebody.jp