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IDC Japanは11月21日、国内PaaS(Platform as a Service)市場予測を発表した。これによると、2015年の国内PaaS市場は前年比48.1%増の648億円、2020年までの年間併給成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は22.1%、2020年の市場規模は1761億円と予測している。

同社では、国内PaaS市場をクラウドアプリケーションプラットフォーム、クラウドインテグレーションサービス、クラウドデータサービス、クラウドアプリケーション開発/ライフサイクルサービス市場、そのほかのクラウドプラットフォームサービスの5つの中分類市場で定義している。

このうち2番目に規模の大きいクラウドデータサービス市場が前年比成長率103.5%となる179億円となり、市場全体の成長をけん引。企業アプリケーションのIaaSでの利用規模が拡大したことで、アプリケーションと連携して利用するRDBMS(Relational Database Management System)の利用増加や、非構造データを含むビッグデータの活用によるHadoopサービスのクラウド上での活用が広がっていること、クラウドDWH(Data Warehouse)の普及などが成長の背景になっているという。

また、2020年の国内PaaS市場規模は1761億円と予測しており、企業のクラウド活用の進展でハイブリッドクラウド環境が一般化し、クラウドインテグレーションサービスの需要が拡大するほか、デジタルトランスフォーメーション(DX)に取り組む企業のアプリケーション基盤として主流の位置を占めることで、中期的にCAGR 22.1%と高い成長を続けていくと予測している。

IDC Japanソフトウェア&セキュリティ マーケットアナリストの草地慎太郎氏は「今後の企業のDX推進の基盤としてPaaSの活用がさらに拡大すると予測されている。一方で個々のPaaS独自の実装に拠ったアプリケーションを開発することで、他のプラットフォームに移行することが難しくなることに対するユーザー企業の懸念がある。PaaSを提供するサービス事業者はユーザー企業の懸念を払拭し、利用を促進するために標準に則ったサービスを提供していくことが望ましい」と分析している。

(岩井 健太)