「全宇宙の銀河はいままでの推測より10倍多い」とする計算結果。ハッブル使い構築した3D宇宙マップから算出

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NASA、ESAらが、全宇宙に存在する銀河の数が、計算の結果これまでの定説とされる2000億個よりも遥かに多く、その10倍はあるとする報告を発表しました。現在、観測可能な宇宙はすでに想像できないほど拡がっており、ハッブル宇宙望遠鏡などにより約134億光年離れた銀河までが発見・観測可能となっています。しかし、天文学者らがそのハッブル宇宙望遠鏡で撮影した画像データをもとにして作った3Dマップに基づいて分析したところ、全宇宙の質量は現在予測される銀河の数2000億個を合計したものよりもはるかに多く、それを説明するためには1兆〜2兆ほどの銀河がなければならないとのこと。

ではなぜそれほど多数の銀河がまだ見つかっていないのかといえば、宇宙のごく初期から存在する(した)銀河は我々のいる場所から非常に高速で遠ざかっているため、赤方偏移による減衰や星間ガスなどの影響によってわれわれのいる地球まで光や電波が届かないことが考えられます。

新しい説が正しいとすれば、われわれが現在の技術で観ることのできる銀河は全体の1割ほどでしかありません。ただ、現在開発中のジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が運用を開始すれば、今より遥かに多くの銀河をみつけ、観測できるようになるはずです。