日本学生支援機構によれば、2015年5月1日時点の日本の外国人留学生の数は20万8379人だった。留学生の国籍を見ると、大半はアジアの学生であり、それも中国が抜きんでて多く、45%以上と半数近くを占める勢いだ。(イメージ写真提供:123RF)

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 日本学生支援機構によれば、2015年5月1日時点の日本の外国人留学生の数は20万8379人だった。留学生の国籍を見ると、大半はアジアの学生であり、それも中国が抜きんでて多く、45%以上と半数近くを占める勢いだ。

 中国人留学生の多くは大学や日本語学校に在籍しており、勉学の傍らコンビニエンスストアやファーストフード店などで働いている姿はどの都市でも見られる光景だろう。中国メディアの捜狐網は23日、かつて日本に留学し、日本でアルバイトをしていたという中国人による手記を掲載し、現在の中国人苦学生にエールを送る投稿を掲載した。

 筆者は、1992年に高校卒業後すぐ日本に留学したというアラフォーの中国人だ。当時は今ほどインターネットが発達していなかったうえ、日中間の経済格差は大きく、日本への留学は敷居が高かったに違いない。来日時はただ何かに挑戦したい一心で、飛行機のチケットと3カ月分の学費と生活費、すなわち両親の貯金をほぼ丸ごと持って未知の世界である日本へ向かったと振り返っている。

 来日当初は日本語もあまりできなかったという筆者。ある日、留学生仲間とスーパーに買い物に行った際、犬や猫が描かれている缶詰を見つけ、「日本人はなんてゲテモノ好きなんだ!犬肉や猫肉の缶詰が売っているなんて!」と思ったという。好奇心から「猫肉の缶詰」1つを購入することにし、「戦争に勝った兵士が戦利品を持つかのように」してレジで会計を済ませ、宿舎へ帰ったという。

 噂を聞きつけた多くの留学生仲間が見守る中、缶詰を開けようとしているところへ、来日数年になる中国人の先輩がやってきて、「お前ら、猫のエサなんか買って来て、何やっているんだ?誰が猫を飼ったんだ?」と言われ、初めて自分たちの買ったものが猫のエサであることに気が付いたという。

 こうした失敗は異国で暮らすうえでの笑い話だが、記事は「なぜ苦労してまで日本に留学したのか」という問いに対し、「輝かしい未来を掴むため」であると指摘し、アルバイトをしながら学費と生活費を稼ぐということは非常に苦しいことであるとする一方、当時の留学生仲間のなかにも苦労していた学生ほど後々になって出世したり、成功したりする人が多くいることを紹介。日本は努力次第で成功をつかむことのできる社会であることを伝えたうえで、失敗や苦労は貴重な経験であると同時に人生の糧だと捉えるよう留学生たちにエールを送っている。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)