来週から「かか兄ちゃん」でもいい「とと姉ちゃん」94話

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連続テレビ小説「とと姉ちゃん」(NHK 総合 月〜土 朝8時〜、BSプレミアム 月〜土 あさ7時30分〜)第16週「『あなたの暮し』誕生す。」第94話 7月22日(金)放送より。 
脚本:西田征史 演出:藤並英樹


昭和22年4月。
雑誌名は「あなたの暮し」、会社名は「あなたの暮し出版」となり、新聞広告を思い切って出したことで、出来上がった雑誌は爆発的に売れる。
甲東出版の人たちも、「スタアの装い」には無反応だったにもかかわらず「あなたの暮し」には俄然食いつく。
以前、「スタアの装い」に意見を聞かれた時、女性の服について詳しくないからわからないと言っていたのは、雑誌に魅力がなかったからなんだろう。花山の卓越したディレクションによって、誰もが引きつけられる誌面になって、谷(山口智充)や五反田(及川光博)も編集者心を刺激されたに違いない。

変わったのは彼らだけではない。常子(高畑充希)も見違えるほど落ち着いた人物になってしまった。ひとは成長するのだなあ。いい人物と出会って影響されるといいふうに変わっていけるものだと「とと姉ちゃん」を観ていてつくづく思う。
花山が「あなたの暮し」の発行(販売?)部数100万部を目指すと盛り上がったところで、花山の生い立ちの説明コーナーへーー。女性の服に興味があることや女性らしいの目線をもっているわけは、母の影響によるものだった。死んだ母の代わりとなって生きてきたという花山を、美子(杉咲花)は「かか兄ちゃん」と呼ぶ。
とと姉ちゃんとかか兄ちゃん。女が父代わり、男が母代わり、男女逆転が男女両方から描かれ、これで公平。そこへ、洋裁学校の小山内節子(ふせえり)が再登場。取材に来たのに学校の紹介をせず、直線断ちを紹介して、営業妨害だとご立腹。常子のことを事務員扱いする。

どうせ儲けることを考えているだけでは、という小山内の指摘をそうじゃないと返す常子。んーー、この間までお金のためだったような気もするが、やっぱり常子は変わったのだろう。
こうして「あなたの暮し」がスタート。「きょうは平和だったねー」と「あさイチ」でもにこにこだった。
すべて唐沢寿明のおかげ。いっそのこと、来週から「かか兄ちゃん」をはじめたら画期的だと思うが、どうだろうか。
(木俣冬)