リーグトップの7勝をマークするソフトバンクの和田毅

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 “松坂世代”の多くが今年36歳を迎える。世代頭の松坂大輔(ソフトバンク)は右肩手術から復活を目指し二軍調整中。最多勝、最優秀防御率、最多奪三振など数々のタイトルを獲得してきた杉内俊哉(巨人)もリハビリのため二軍で過ごす。4年ぶりに阪神に復帰した藤川球児(阪神)は先発で力を発揮できず、抑えに転向するもピリッとしない。長年野球界を引っ張ってきた“松坂世代”だが、一軍で活躍ができない選手が増えてきている。

 そんな中、今季からソフトバンクに復帰した和田毅(ソフトバンク)が開幕からチームに欠かせない存在感を発揮する。和田は11年オフにFA宣言し、ソフトバンクからオリオールズに移籍した。オリオールズでは、トミージョン手術を受けるなど、故障に苦しみメジャーでの登板はなし。13年オフに移籍したカブスでは、14年に4勝をマークするも、昨季限りで自由契約選手となった。

 そして今年、5年ぶりに古巣・ソフトバンクに復帰。故障明けということもあり、活躍できるか不安視するファンも多かったが、それも杞憂に終わっている。初登板となった3月29日の西武戦で敗戦投手になったものの、4月12日の西武戦で復帰後初勝利を飾ると、この試合から自身6連勝。6月8日のDeNA戦では、7回を7安打、12奪三振、1失点の好投を見せリーグトップの7勝目を挙げた。松坂、杉内、藤川が故障や不振で苦しむ中、和田が“松坂世代”の希望の星となっている。

 野手では昨季、精彩を欠いた村田修一(巨人)が今季、ここまで打率3割を記録している。昨季は103試合に出場して、打率.236、12本塁打、39打点と打撃3部門すべてで、巨人移籍後自己ワーストの成績に終わった。今季はレギュラーポジションを確約されず、2年目の岡本和真とスタメンの座を争った。村田は競争に勝ち抜き、開幕から「三塁」のレギュラーとして出場する。

 かつて2年連続でタイトルを獲得したほどの豪快な打撃を披露できていないが、コンスタントに安打を重ねる。6月もここまで10試合に出場して、打率.344(32-11)と高い数字を残す。率は残せている一方で、本塁打と打点の数が少ないのは気になるところ。本塁打と打点がもう少し増えると、相手投手陣も今以上に嫌がるだろう。

 松坂世代の世代頭の松坂を始め、杉内、藤川、館山昌平(ヤクルト)、久保康友(DeNA)、梵英心(広島)、永川勝浩(広島)ら“松坂世代”の活躍を期待する声も多い。和田、村田とともにもう一度、球界を盛り上げるような活躍を期待したい。