田中と内村のコント愛は常軌を逸している「LIFE!」#4
星野源「この車掌バカじゃないの？」
NHK総合『LIFE!〜人生に捧げるコント〜』。（NHK総合 毎週木曜22：25〜）。5月12日放送の第4回のコントは「プラス車掌」「ノープライダーZ」「突き詰めると」「スター1〜3」の6本。
”悪口にならないように”「プラス車掌」のこだわり
「プラス車掌」はストーリーのあるコントではなく、『LIFE!』の演者たちの裏側を田中直樹扮するプラス車掌がイジりまくるというコント。
プラス車掌「あぁ……私って……なんてこんなにクールビューティーなんだろう……」
一同が爆笑するなか「仰る通りあなたはクールでビューティーです！」「賞もたくさん取ってます！」「ジーンズにジュエリー、CM女王の称号まで！」と、まくし立てるプラス車掌。確かに吉田羊は「ベストジーニスト2015」と「第27回 日本ジュエリー ベストドレッサー賞 40代部門」を受賞済み。年齢は非公表なのになぜか40代部門受賞である。
プラス車掌の言葉は続く。「私の調査によりますと、上司にしたいクールビューティー第1位！」「叱られてみたいクールビューティー第1位！」「本屋さんに聞いた、このミステリーが、いや、このクールビューティーがすごい第1位！」とおだてまくる。
いつもは演者が収録中に見せた素の状態をイジる展開が多いプラス車掌。まだシーズン4の収録が始まったばかりということもあるのか、今回は「世間のイメージ」を使ったボケで盛り上げる。『QuickJapan Vol.125』での『LIFE!』特集によると、「プラス車掌」のコントは事前に入念な打ち合わせをしているそう。
田中直樹「あのコント（プラス車掌）はライフというかライブですね（笑）。撮り直しができない一発本番で、皆さんネタを知らないので。たとえば（星野）源ちゃんやったら『源ちゃんのこういうところいじりませんか？』というのをスタッフさん含めてみんなで話し合ってネタが決まっていく。前日に電話でやり取りしたり、NHKに来て打ち合わせさせてもらったこともありますし」
星野源「そこまでやってたんですか！すごいなぁ知らなかった……」
内村宏幸「あれは信頼感が生んだキャラじゃないでしょうか。そうじゃないとただの悪口になるから（笑）」
（『QuickJapan Vol.125』「それぞれのLIFE! コントなき時代の挑戦」田中直樹×星野源×内村宏幸）
信頼感が必要なコントを今シーズンから参加の吉田羊に仕掛ける。それは仲間として信頼している証なのかもしれない。
「これからはコントのクールビューティー部門第1位を取れるよう、頑張ってください」と吉田羊にエールを送ったプラス車掌は、そのあと星野源に「あ〜俺、いま抱けない女いないなぁ」をプラスして、35万人抱ける説を唱えていました。
今週の名言
第4回の『今週の名言』は、新キャラクター「ノープライダーZ」からこの一言。
「私は一切傷ついていない。なぜなら私はノープライダーZだからだ！」
今回から公式ページに「TODAY'S LIFE WORD 今日の名言」のコーナーができ、コミック風に再現されたコントと共に名言を振り返れるようになった。解説もついており、今回のコントではこんな感じ。
自分にプライドがないことを
あなたはこんなにも力強く宣言することができるでしょうか？
この名言は、現代を生きる全ての人への問題提起です。
かなり大真面目に振り返られていてニヤニヤしてしまう。過去3回の名言も解説つきでアップされているので、ぜひチェックを。
それにしてもノープライダーZ、変身後は『笑う犬の生活』の「関東土下座組」（いい土下座でしたよ）を彷彿とさせる土下座を決め、人の革靴をペロペロ舐めるノープライドぶり。この靴を舐めるくだり、「本当に舐めるとは思わなかった」そう。
西川毅（演出）「田中さんと内村さんのコントへの愛はちょっと悪い言い方をすると常軌を逸している（笑）」
内村光良「今日『プライドをなくした男が靴を舐める』っていうシーンがあったんですけど、まさか本当に舐めるとは思わなかった。しかもそこだけ3回も撮り直して。確かに常軌を逸している（笑）」
西川「すみません（笑）」
内村「一度OKが出たものをこちらが『もう一回撮りなおしましょう』もあります。みんなそういう気持ちでやってます」
（『QuickJapan Vol.125』「それぞれのLIFE! コントなき時代の挑戦」内村光良×西川毅×平松政俊）
演出も演者も、納得いくまで面白いものを作り上げる幸せな環境がそこにある。ちなみに、フジテレビのコント番組でお馴染みの「スタジオに会議室用の折り畳みテーブルを置いて“たまり”を作る」という手法も、『LIFE!』の現場に取り入れているそうだ。
今夜5月19日（木）放送の『LIFE!』第5回では、初回に登場した「うそ太郎」が再び登場。「こいつね、嘘はつくけど腕はピカイチなんですよ」「腕はピカイチっす！」と、大将とのコンビネーションも抜群です。
（井上マサキ）
