中国の経済成長率は一時より低下したとはいえ、2015年の実質成長率は6.9%に達した。日本の経済成長率が近年、低迷を続けていることを考えれば、今なお中国は高い成長率を維持できていることになる。(イメージ写真提供:123RF)

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 中国の経済成長率は一時より低下したとはいえ、2015年の実質成長率は6.9%に達した。日本の経済成長率が近年、低迷を続けていることを考えれば、今なお中国は高い成長率を維持できていることになる。

 中国経済の規模はすでに日本の約2倍に達しており、中国では「すでに落ち目の日本は敵ではない」といった論調も目立つ。だが、中国メディアの東方頭条はこのほど、「表面上のことで惑わされてはいけない」とし、バブル崩壊から約30年間にわたって低迷する日本は今なお「高度に発達した国であることを認めざるを得ない」と論じた。

 記事は、GDPや一人あたりGDPの規模だけで国の発達度合いを図ることはできないと指摘。一人あたりGDPが高いことは必ずしも経済が発展していることを示すものではなく、日本の15年の一人あたりGDPは3万9731ドルで世界23位だったと紹介した。

 一方、日本は莫大な対外純資産を持つ国だと指摘。財務相によれば、日本の2013年末時点における対外純資産残高は325兆円に達し、世界一の債権国となった。特筆すべきは「23年連続」で世界一の債権国ということだ。

 中国経済導報によれば、日本は世界一の対外純資産額によって約20兆円の利益を得ているが、日本は国内だけでなく、国外でも稼いでいるのだ。一方の中国は14年に約2兆ドル(約219兆円)の対外純資産を有していたが、経常収支における所得収支は298億ドル(約3兆5543億円)のマイナスだった。これほど巨額の対外純資産を持ちながら投資収益率がマイナスであることが「中国の資産管理における最大の問題」だ。

 また記事は、対外純資産のみならず、日本の技術力はまちがいなくアジアトップであり、世界に名だたる企業も多いと指摘。日本人の寿命が世界有数の長さであることは日本人の生活水準がそれだけ高いことを意味すると指摘し、「GDPなど表面上のことで惑わされては日本の真の姿は見えない」と論じている。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)