「HUNTER×HUNTER」ヒソカは今回のバトルで絶頂するのか

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「受けて勃つ…(はぁと)」
冨樫義博作『HUNTER×HUNTER』。天空闘技場でのヒソカVSクロロのバトルも今週の週刊少年ジャンプで3話目を迎える。前号まで防戦一方だったヒソカがようやく一発クリーンヒットを浴びせていた。
ヒソカは物語の主人公・ゴンが殺しがいのある相手に育つまで一途に待ち続けている男。トランプを使って戦うこともあり、語尾にトランプのマークをつけてしゃべることが多い。
クロロはヒソカが長い間、タイマンを望み続けてきた相手である。作中の時間は定かではないが、ヒソカが「クロロと戦いたい」と初めて告白したのは単行本9巻。初版が2000年だったのを考えると少なくとも16年は読者を待たせ続けた対決である。


前号で語られたヒソカの絶頂(ピーク)


「全く…厄介だな…(クローバー)」
ヒソカはタイマンの際に余裕綽々で相手に先手を譲ることが多い。今回の対決でも初手を取られて苦戦している。そんな中、ヒソカにとってのバトルの醍醐味が語られた。
「ボクの絶頂(ピーク)はそんな連中の膝が折れて 「こんなはずでは…」という表情を見下ろす瞬間さ(はぁと)」
物語序盤のハンター試験編から登場し続けているヒソカ。ゴンが初めてその姿を見たときは「去年 合格確実と言われながら 気に入らない試験官を半殺しにして失格したやつ」と紹介されていた。
ヒソカにとっての2度目のハンター試験。半殺しにされた試験官が復讐者(リベンジャ―)として再び襲いかかってきた。
一年間修行を重ね、上下、左右、正面背後とあらゆる角度から無数の刃で相手を切り刻む無限四刀流を披露した復讐者。しかし、二太刀ほど浴びせてヒソカに敗北してしまった。
「無駄な努力 御苦労様(クローバー)」
「ぐっ… くそォオ―――――ォ―――!!」
ヒソカの不気味な笑顔と無限四刀流の男の断末魔。次のコマでは悔しそうな表情の生首が描かれていた。
ヒソカのかつての同僚・ウボォーギンも、リベンジ野郎を返り討ちにするのが一番の喜びだと話していたことがある。無限四刀流の男は一話も満たない間に殺されてしまったが、ヒソカもきっと気持ち良かったんだろう。


クロロは殺しがいのある相手なのか


「ただの殺し合い(ゲーム)だからこそ闘い方(スタイル)は大事だろう? 勝敗なんかよりはるかにな」
現在、ヒソカが相手にしているクロロ。死の間際にヒソカが望むような絶望的な表情を浮かべてくれるんだろうか(ヒソカが勝つとして)。
「死を毎日側にあるものとして、享受している」人物であり、死ぬことに対して恐れはないという。なにがなんでも生きてやる、なにがなんでも殺してやる、といった執念が感じられない。
主人公・ゴンの父親、ジンが「勝とうとも思わず負けようとも思っていないやつが最強だ」というような話をしていた。勝ち負けに執着しない人間は、執着する人間の手筋を読むことができる。この理論が今回もまかり通るなら、クロロは最強ということになる。
(山川悠)