「LIFE!」#3 ムロツヨシ、存在の耐えられないやかましさ

写真拡大

『LIFE!〜人生に捧げるコント〜』(NHK総合 毎週木曜22:25〜)。4月28日放送の第3回のコントは「スーパースター レディ・ガガ編」「苦行」「スーパースター 長嶋茂雄編」「型破りな教師」「ムロ待ち」「心のベストソング」の6本。


「ムロさんは……やかましいんです」


シーズン4になってから初めてゲストを迎えたコント「ムロ待ち」。テレビ局らしき建物から出てくるムロツヨシ(本人役)。そこに「きゃ〜ムロさんだ〜」と女性ファンたちが駆け寄ってくる。

ファンの1人(石橋杏奈)が「一緒に写真いいですか?」とお願いしてくるが、「自撮り風に撮りたい」とムロがシャッターを押すようと頼んでくる。両手に荷物を持っていたムロは一瞬困るものの、仕方なく荷物を地面に置くが……。

「ちょっ、ちょっとストップストップ!なにしてんの!?」

と割り込んでくるのが、シソンヌじろう扮するムロツヨシの熱烈ファン”黄金原聡子”。「ムロさんをずっと見守ってきた女、ううん、育ててきた女」「あなたたちさぁ、ヨシヒコとかLIFE!あたりからのファンでしょ?」「ちゃんとして〜」とまくし立て、女性ファンを強引に追い出し、「次は無いわよぉ〜!」と捨て台詞を吐く。

女性ファンが去った後、ムロと黄金原さんのアドリブっぽいやりとりが続く。「ムロさんの主演ドラマ(恐らくTBS系『悪党たちは千里を走る』のこと)、最高でした〜」と褒めちぎったあとに、この問い。

黄金原さん 「やっぱり、主演としてやっていきたいんですか?それとも、名バイプレーヤーとしてやっていきたいんですか?」

え、どっちか……?と苦笑いするムロツヨシ。しかし話を聞いてない黄金原さん。「私的には舞台なんです!映像の人じゃないですムロさんは!」「テレビ、映画、ドラマで見るとムロさんは……やかましいんです。なんか鼻につく時とか、たまにあるんです」「小劇場で見たいんです!」と言いたい放題。執拗に絡むキャラの濃さは、さすがキングオブコント2014覇者。

さて、黄金原さんが去ったあと、続いたコントが「心のベストソング」。ムロツヨシ、モヒカン頭のパンクロッカーで「イエェェェ!!」「レーッツ!ローック!!」と裏声で絶叫し続ける役。やかましい。黄金原さん、確かにムロさんはやかましいよ!

しかしこの“存在のやかましさ”こそ、ムロツヨシが『LIFE!』の中で必要とされるポジション。「持ち込もうとする男」「貸そうとする男」などのウザさ、「妖怪どうしたろうかしゃん」の絡みづらさなど、ムロツヨシがメインとなるコントはそのやかましさが武器となる。特別なメイクや衣装がなくても、素の状態で一定のやかましさを出せるので、様々なコントにも配置できるピースになりうるのだ。

今週の名言


第3回の『今週の名言』は、「スーパースター 長嶋茂雄編」で長嶋茂雄に扮したウッチャンのこの一言。

「ん〜、どうでしょう」

「型破りな教師」の教育論や、「心のベストソング」の案山子など、他にいい台詞があったのに、なぜこれが!

それにしても「スーパースター」シリーズは、毎回内村光良の力の入れ方がスゴい。今回はレディ・ガガを踊り、長嶋茂雄のサードからの送球を真似た。過去には石原裕次郎となってドラムを叩き、マイケル・ジャクソンとなってムーンウォークをし、美空ひばりになって歌ってもいる。

モノマネとしては無茶振りと言ってもいいラインナップなのに、毎回さらりと一定のクオリティに達してる。内村座長にとっては、スーパースターもキャラコントのキャラの1人に過ぎないのかもしれない。

ゴールデンウィークで1週お休みだった『LIFE!』。今夜5月12日(木)放送の第4回は久々にプラス車掌が登場!新シリーズでも切符を拝見しま〜す。
(井上マサキ)