終わらないフジテレビの迷走…ショーンKの後任人事が新たな火ダネに?

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 週刊文春の報道により経歴詐称が判明し、すべての出演番組を降板した経営コンサルタントの「ショーンK」ことショーン・マクアードル川上氏(47)の騒動が各方面で尾を引いている。メインキャスターを担当する予定だった4月4日スタートの大型情報番組『ユアタイム〜あなたの時間〜』(フジテレビ系)では川上氏に代わって、ジャーナリストやDJとして活躍するモーリー・ロバートソン氏(53)が後任に抜擢された。しかし、フジテレビがモーリー氏を起用したことについて聞こえてくるのは”番組の行く末”を案じる声ばかり。近年、やることなすこと惨敗続きのフジテレビだが、今回もそんなジンクスを踏襲しそうだという。

■本物の”高学歴”キャスターの起用が吉と出るか?

 ショーンKとは違い、モーリー氏の学歴は見事なものだ。アメリカ人の父と日本人の母を持つモーリー氏は高校卒業後、一旦は東京大学理科一類に入学。同時にアメリカのハーバード大学やマサチューセッツ工科大学、スタンフォード大学など超名門にも複数合格。その後、東大は中退してハーバードに入学し直したというから、本物の高学歴の持ち主で頭脳明晰であることは間違いない。だが、こんなモーリー氏の抜てきこそがフジテレビの低迷ぶりを象徴しているという。

「経歴詐称のニセ者で失敗したから今度は本物のハーバード卒で、という安易な考えが透けて見えます。フジテレビがモーリー氏の思考や性格を理解しているとは言い難いキャスティングです。エネルギー問題、ドラッグ、慰安婦などモーリー氏ははっきりとした考えを明確に持っていて、地上波のニュース番組の仕切りというよりは、BSでの討論番組が向いているタイプ。これまでも脱原発デモや大麻についてTwitterで言及してきてますが、いずれもお茶の間の理解を得られるとは言いがたい独特な思考の持ち主なので、いつ彼が問題発言で降板騒ぎを起こすか不安感は拭えません」(スポーツ紙記者)

 ましてやフジテレビは近年、ちょっとしたことでもネット上で炎上してしまう負の連鎖に陥っている。ショーンKでは心配の必要すらなかった局への苦情が一気に増えそうな気配が漂っているのだ。

「狙いとは別のところで炎上するのがフジテレビ。なぜフジテレビばかりが悪目立ちするのかといえば、その場のノリや思いつきで事をはこぶ独特の企業カラーがあるようにも思えます。視聴率低迷によるCM広告の激減で、予算を削られた制作現場の劣化に歯止めが効かない状態。テロップなどの誤字脱字がもっとも多いのがフジテレビで、今回のモーリー氏にしてもその場しのぎの思いつきでキャスティングしてしまう姿勢には疑問が残ります」(前出・記者)

 亀山社長の肝いりでスタートする『ユアタイム』だが、はやくも船出前につまづいてしまった。運にも見放されたフジテレビの迷走は当分終わりそうにない。

文・橘カイト(たちばな・かいと)※1979年島根県生まれ。編集プロダクションを経て、フリーに。実話誌や週刊誌などで芸能関係の記事を執筆。また、民俗学などにも精通し、”日本のタブー”を数多く取材する。