中国では春節(旧正月)連休中の9日、江蘇省から黒龍江省に旅行にやってきた一行が、ハルビン市内を流れる松花江近くの飲食店で食事をしたところ、法外な料金で注文した量よりも多く料理を出され、1万元(約17万5300円)以上を請求された上、抗議をしたら殴られたことが話題になった。中国メディアの銭江晚報は、請求された学を「1家3人が日本に行ってこられる金額」として、観光地における「ぼったくり体質」を批判した。(イメージ写真提供:123RF。松花江の風景)

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 中国では春節(旧正月)連休中の9日、江蘇省から黒龍江省に旅行にやってきた一行が、ハルビン市内を流れる松花江近くの飲食店で食事をしたところ、法外な料金で注文した量よりも多く料理を出され、1万元(約17万5300円)以上を請求された上、抗議をしたら殴られたことが話題になった。中国メディアの銭江晚報は、請求された学を「1家3人が日本に行ってこられる金額」として、観光地における「ぼったくり体質」を批判した。

 ハルビンで発生した同問題で、客は名物のチョウザメの1種の魚料理を注文した。料金は魚の大きさによって異なるので「3.5キログラム程度の物を」と注文したところ、店側は5.2キログラムの魚になると言い、会計の際には「7.2キログラム」と記入されていた。

 価格は1キログラム当たり796元(約1万3900円)だったが、近くの別の店では196元(約3440円)だった。請求された金額は1万元以上になった。口論になり警察官がやってきたが、警察官はガムをかんでいた。警察官の見ている前で、店員は客を殴った。

 警察側は、料金設定については警察は介入できず、話し合いがつかなければ、客の身柄を拘束すると言った。商品やサービスの価格を監視する現地の物価局に連絡したら「明日になったら処理する」と言い、問題を解決しようとする意欲は全くみられなかった。客側はやむをえず全額を支払ったという。

 銭江晚報は、最近の中国で海外旅行をする人が増えていると指摘。今年(2016年)の春節(旧正月)期には600万人が海外に出かけ、900億元を消費したと紹介。

 海外旅行ブームの本質には、中国国内における消費環境は信頼も信用も地に落ちていると主張。ハルビンの飲食店での請求額は「1家3人が日本と往復できる航空チケット代に匹敵」と指摘した。

 さらに、中国では観光スポットが高額の入場料を徴収する場合が一般的で、観光旅行をすれば入場料の合計は「ディスカウントチケットならば、航空券を数枚買えるほど」になると主張。「そんな状況に甘んじる者はいない」とまで極論し、中国国内観光の「ぼったくり」は個別の案件だけではなく、観光業全体が「ぼったくり体質」になっていると主張した。

 記事は、中国は世界がうらやむ消費大国になったのに「中国人は自国で遊ぶ気になれず、金を使う気にもならず、一生懸命にためた金を別の国でばらまいて、行先国に貢献している」と批判した。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:123RF。松花江の風景)