中国メディアの北京晨報は、海外旅行に出かけた中国人の「ショッピング風景の変化」を報じた。オーストラリアでは「昨年までとは一転して低調」だという。香港は中国人客そのものが減った。日本では「爆買い」現象が継続してはいるという。(イメージ写真提供:(C)Kevin Hellon/123RF.COM。シドニーの中華街)

写真拡大

 中国メディアの北京晨報は、海外旅行に出かけた中国人の「ショッピング風景の変化」を報じた。オーストラリアでは中国人客が多いものの、売れ行きは「昨年(2015年)とは一転して低調」だという。香港は中国人客そのものが減った。日本では「爆買い」現象が継続してはいるという。

 2016年1月に、オーストラリア政府に入国ビザを申請した中国人は10万人を突破して、単月としては過去最多だった。ところが中国人客の「爆買い」は影をひそめ、「緻密な買い物をする人」が増えたという。

 シドニーにある羊毛製品やカンガルーの皮製品をうる商店主は、「以前は店内が深夜になっても(中国人客で)ごった返し、午前2時を過ぎて来店する人もいた」と説明。ところが、今年は春節期になってもこれまでと同様の現象は出現していない。「お客様の人数はだいたい、昨年の半分ぐらいでしょうか」という。

 シドニー市内の中華街にある店の関係者によると、「昨年はビタミン、蜂蜜、サプリメントのカプセルがよく売れました。値引き交渉をする人もあまりいませんでした。今年は出費について『理性的』になってしまい、何度も値引きを求めるだけでなく、インターネットで事前に価格調査する人が増えました」という。

 香港では、2015年12月における大陸人客が前年同月比で15.15%減少した。干しアワビや燕の巣などの高級乾物を売る老舗の経営者は「20-30年、この商売をしていますが。今年の売り上げは最悪です」と説明した。

 旅行情報専門の検索サイトを立ち上げた荘辰超氏によると、中国人が旅行を検討する際、価格について敏感になり、行先の選択を含めて「お得感のある旅行」をしようとする傾向が高まっているという。

 記事は、中国人の日本旅行については、旅行客の総数も爆買い現象も旺盛と紹介。行き先としては、雪まつりが開催される札幌や、雪景色が楽しめる岐阜県の白川村や長野県の軽井沢が人気という。

 ショッピングについては、ビックカメラ、三越百貨店、ファミリーマートなどが中国人客向けの販促活動を実施していると指摘。ただし、多くの商店では中国語の話せるアルバイト店員として、中国人留学生を雇っており、多くの留学生が春節時期には帰省してしまうため、中国人アルバイト店員の争奪戦が発生していると紹介。人員不足によりあまりの忙しさに耐えられなくなり辞めてしまう店員もおり、中国語スタッフの不足がさらに深刻化する場合もあるという。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:(C)Kevin Hellon/123RF.COM。シドニーの中華街)