写真はインスタグラムより

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 あの大久保嘉人が丸刈りに──2大会連続でサッカーW杯に出場した川崎フロンターレFWの大久保嘉人(33)は、自身のインスタグラムで、3人の息子とともに全裸に丸刈りの姿を披露した。

 大久保嘉人といえば、激しい気性を隠さないプレースタイルで知られる熱い選手。ヤンチャをした反省の丸刈りなのか、それとも、日本代表に選出されないことへの抗議か……笑顔の写真とともに、

「安心してください、履いてます」

 のギャグで始まった投稿には、国見高校時代から14年ぶりに丸刈りにしたこと、そして、妻・莉瑛さんの重い病気と一緒に戦う強い決意が綴られていた。坊主姿には、妻への愛が秘められていたのだ。

妻の不安を和らげるため、息子と丸刈りに

 大久保のインスタグラムによると、莉瑛さんは今年の夏流産したが、胞状奇胎が発覚。手術を行った。しかし、術後の経過が良くならず、奇胎後hCG存続症のために抗がん剤治療が必要であることが判明してしまった。

 奇胎後hCG存続症とは、胞状奇胎の手術後に起こりうる症状。hCGというホルモンの値が高値であるのに病巣がはっきりしない場合、奇胎後hCG存続症とされる。がんではないが、腫瘍性病変を形成する「侵入奇胎」のカテゴリーで治療方針が立てられ、抗がん剤治療が効くとされている。

 大久保は、抗がん剤治療による副作用で莉瑛さんに脱毛の可能性があることを知り、莉瑛さんの入院と治療の不安を和らげるために、3人の息子と相談し、丸刈りにしたと明かした。

 件のインスタグラム投稿は、大久保のツイッターにも投稿され、瞬く間に拡散された。愛妻への思いに感動し、「奥さんの早い回復を」と、励ましの声が殺到した。大久保のインスタグラムには2万件を超える「いいね!」がついた。

 大久保はサッカーの名門・長崎県の国見高校時代から莉瑛さんと交際し、2004年に結婚。プロ1年目から暴言やファウルによるイエローカードやレッドカードの常習犯。日本代表では無断でキャバクラに行き大騒ぎした「キャバクラセブン」騒動を起こすなど、ヤンチャぶりが目立った。そんな大久保も、今では子煩悩な父親だ。

 ファンやマスコミへの丁寧な対応も評判の選手で、2013年に川崎に移籍してからは、イエローカードも激減した。

 ファンもマスコミも大久保の投稿により妻の病気を知ったが、プライベートとサッカーを切り分けて結果を出す大久保をたたえる声も多い。大久保は初めてJリーグ得点王になった2013年に父・克博さんを病気で亡くしたが、克博さんが亡くなる前日はJ1リーグ戦でゴールを決め、試合後、川崎市から実家のある北九州市へ駆けつけた。

 今年は史上初の3年連続Jリーグ得点王、そして、中山雅史(沼津)が持つJ1通算得点記録の157ゴールも目前だ。大久保の丸刈りに込められた思いを知ったサッカーファンは、公私ともに、大久保からの良い報告を待っている。

(取材・文/春山修司)