藤田直之 (撮影:長瀬友哉/フォート・キシモト)

写真拡大 (全12枚)

藤田直之はいつも淡々と話す。だがこの日のコメントでは、いつもに比べると力が入っているようだった。

「攻撃面で何もしていなかったですね。ボールもそんなに触らなかったし、奪ったところのカウンターの基点にもならなかったし、サイドが詰まったときに自分が顔を出してサイドチェンジをすればよかったと思います。最低限のことしかやっていません」

そう反省しながらも、手応えは感じたようだった。ただ、思い出すと、ドキドキする場面もあったようだ。

「攻撃のセットプレーの時、一番後ろに残る役だったのですが、それは自分が失敗すると相手にゴールを決められてしまうという重要なポジションだと思っています。それに相手のCKのときはCBにマンツーマンだったんですよ。そういうのも含め、役割を全うするというのと突き詰めていきたいと思います」

カバーリングではチームメイトの金民友と競り合い、派手に吹っ飛ばされてファウルを取った場面もあった。チームメイトだからこそできる、容赦ないぶつかり合いだったと言えるだろう。そのことに聞くと、藤田はやっと少しニッコリとして教えてくれた。

「あそこで金民友に体を入れられたら、ゴールまで行かれてしまうということはわかっていました。だからそこは体を張りました」

実はサガン鳥栖がJ1に昇格した2012年、藤田が代表を意識したことがある。アウェイの清水エスパルス戦のあと、澤登正朗氏が藤田に「頑張れば、代表選手になれるよ」と声をかけたのだ。藤田は「本当かなぁ」と思いながらも、忘れたことはなかった。そして今回の代表入りで、藤田はついにその場に立った。

出場してみて、自分により自信が持てたのではないか。

「自信……そうですね。課題がある中でも、あの中に立てたのは――厳しかったけれど楽しかったです。楽しいという気持になりました。でもアピールできたとは思っていません。もっといいプレーを、もっとチームのためにプレーできるということを見せないと、次は呼んでもらえないと思っています。自信になったかどうかはわかりませんが、1つのきっかけにしたいと思います」

監督からは「鳥栖で年間3、4点は挙げなければいけない」という課題を課せられたようだ。この言葉も藤田は忘れないだろう。

役割に忠実に、そつなくこなせたことで、藤田の未来は広がったはずだ。次回はピッチ横幅の半分を投げるというロングスローを披露するかもしれない。

【日本蹴球合同会社/森雅史】

▼ 藤田直之

(撮影:長瀬友哉/フォート・キシモト)

▼ 藤田直之

(撮影:長瀬友哉/フォート・キシモト)

▼ 韓国戦の先発イレブン

(撮影:長瀬友哉/フォート・キシモト)

▼ 川又堅碁

(撮影:長瀬友哉/フォート・キシモト)

▼ 浅野拓磨

(撮影:長瀬友哉/フォート・キシモト)

▼ 太田宏介

(撮影:長瀬友哉/フォート・キシモト)

▼ 太田宏介、柴崎岳

(撮影:長瀬友哉/フォート・キシモト)

▼ 槙野智章

(撮影:長瀬友哉/フォート・キシモト)

▼ 槙野智章

(撮影:長瀬友哉/フォート・キシモト)

▼ 槙野智章

(撮影:長瀬友哉/フォート・キシモト)

▼ 代表初ゴールを決めた、山口蛍(写真中央)

(撮影:長瀬友哉/フォート・キシモト)