レッドソックス・上原浩治【写真:田口有史】

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好調ヤンキース打線抑えて斎藤隆超え、「ちょっとナーバスになってる部分はあった」

 レッドソックス上原浩治投手は5日(日本時間6日)、敵地での宿敵ヤンキース戦で今季24セーブ目を挙げた。2−1の9回に登板し、1回1安打1四球無失点。好調のヤンキース打線相手に1点のリードをしっかりと守った。メジャー通算では85セーブとして、並んでいた斎藤隆(現楽天)を上回り、日本人歴代単独2位に浮上した。

 上原はヤンキース打線のクリーンアップと対峙。まずは3番のAロッドを内角への直球で捕邪飛に仕留めた。続くテシェイラには1ボールからスプリットをライトへと運ばれる。飛び込んだカスティーヨがすくい上げ、アウトと判定されたが、ヤンキースがチャレンジ。実際にはボールがグラウンドに弾んでいたため、ビデオ判定で覆りヒットになった。

 その後、暴投で代走のヤングが二塁に進塁。ベルトランはフルカウントから中飛に打ち取ったが、ヘドリーには四球を与える。2死一、二塁とピンチが広がったものの、最後はマッキャンを追い込んでからスプリットで中飛に打ち取り、試合を締めた。

 試合後にはTVインタビューに応じ「ヤンキース打線は調子がいいので、今日は1点差で、しかもクリーンアップだったんで、ちょっとナーバスになってる部分はありましたね」と振り返った。

 それでも、今季もセーブ機会では防御率1.13と抜群の安定感を誇る守護神は、きっちりと無失点に抑えて24セーブ目。チームは地区最下位と苦しい状況だが「勝つことしかないので、何が必要というよりも勝つことだけですね」と今後の戦いへ向けて力を込めた。

「もし打たれても松井さんのせいにしようかと思ってた。抑えたんで自分のおかげ」

 また、この日はヤンキースのGM特別アドバイザーを務める松井秀喜氏が球場を訪問。TV中継での解説も務めた。

 上原は、インタビューで「マッキャンへの初球のストレートを決められるあたりは素晴らしい」と巨人時代の先輩に褒められると、「あの初球は正直あぶなかったですね」と苦笑い。さらに「本当によかったです。試合前に松井さんに会って、打たれたら何言われるか分からなかったので」と冗談交じりに続けた。

 松井氏が「言ったことないでしょ」と笑うと、上原は「もし打たれても松井さんのせいにしようかと思ってたんで。抑えたんで自分のおかげかなと思ってます」と再び笑顔。松井氏は「仰るとおりです」と話した。

 上原は今季24セーブで、防御率2.27。これがメジャー通算85セーブ目で、ドジャースなどで活躍した斎藤の84セーブを上回り、歴代単独2位に浮上した。1位はマリナーズでプレーした佐々木主浩氏の129セーブとなっている。

 レッドソックスは守護神の活躍もあり、2−1で勝利して連敗を2で止めた。