地力勝る宮崎日大が投打かみあい大勝!横山 楓(宮崎学園)の夏終わる。

↓両チームの戦歴↓【宮崎学園(第8シード)】[二回戦] 3−2 富島(延長11回サヨナラ)[三回戦] 8−1 日南(8回コールド)[準々決勝] 3−2 宮崎第一(9回サヨナラ)[準決勝] 4−3 都城商

【宮崎日大(第3シード)】[二回戦] 5−2 小林[三回戦] 10−0 日向(6回コールド)[準々決勝] 1−0 都城[準決勝] 2−1 聖心ウルスラ

 57年ぶりとなる宮崎市内校同士の決勝戦。プロ注目右腕の横山 楓を擁して、4試合とも逆転勝ちで決勝まで駒を進めた宮崎学園。対する宮崎日大は、上ノ薗 慎伍(小林)・山本 由伸(都城)・大久保(聖心ウルスラ)と、好投手を擁するチームから競り勝ってきた。

 宮崎日大は杉尾 剛史、宮崎学園は横山。2年時からマウンド経験を積んできた両エースが、サンマリンスタジアム宮崎で最後の試合となる決勝戦のマウンドにあがった。緊迫した投手戦が予想されたが、試合は思わぬ展開になった。

 1回裏、宮崎日大が4番前田、5番溝上の連続適時打で2点を先制!4回裏二死無塁から、宮崎学園に内野の乱れが出て二死二塁。ここから宮崎日大が一気に攻め込む!7番黒木の右中越適時二塁打、8番薗田の中前適時打で宮崎学園横山をマウンドから降ろした。

 続く9番供利がしっかりとスクイズを決めると、1番木原真が中越適時二塁打!4回二死から4点を追加した宮崎日大は、5回にも打線が爆発!5番溝上の左越適時二塁打、8番薗田の2点右前適時打、9番供利の犠飛で宮崎日大10−0宮崎学園。

 今チームから、輝きを放つホワイト×レッドの新ユニホームを着た宮崎日大ナインが、ダイヤモンドを駆け回り、貪欲に得点を重ねると、約1000人の大応援団でスクールカラーの桜色に綺麗に染まったスタンドは、お祭り状態。中盤にして、甲子園出場が確実視され、8回にも3点を加えた宮崎日大は、ゲームセットの瞬間を待つだけだった。

 投げてはエース杉尾が7回一死までノーヒットピッチングの快投!8回は、マウンドを野崎、南に譲ったが、再び、9回にマウンドにあがり三者三振!最終打者には141キロ(球場表示)をマーク。宮崎日大が甲子園の夏切符を手にした!同時に、宮崎日大が長いトンネルから抜けた。そんな瞬間だった。

 宮崎日大は、これまでも有力選手が集まりながら甲子園が遠のいていた。夏に勝てなかった。OBでプロ野球出身の榊原 聡一郎監督が就任して1ヶ月で新人戦優勝。秋・春は、あと1歩のところで敗れていたが、NHK杯予選(第62回県選手権大会県央地区予選)では、「宮崎日大10−1佐土原」を観戦(レポート)。佐土原を相手に破壊的な強さを発揮していた。

 この一戦で、夏の優勝を予言していたわけでは無いが、投打ともに本領発揮した時の宮崎日大の地力と脅威は、県内チームで群を抜いたものがあると感じさせられる程、着実に、夏に勝てるチームに成長していた。宮崎日大は、18年ぶりに甲子園出場を果たした今年から、「夏に強い宮崎日大」として、宮崎県の高校野球史に新しいページを刻みたいところだ。

 一方、今大会開幕前にエース横山のアクシデントがあった宮崎学園であったが、チーム全員でカバーして個々が潜在能力を発揮した。弱いと言われていた打線に火がついて、勝ち上がった試合もあった。ただ、横山の復調過程のなか、雨天順延により強行日程に変更された点は無情だった。三回戦(第3試合)と準々決勝(第1試合)が連戦・連投になった横山。

 そして、準決勝と決勝での連戦・連投。蓄積された疲れは、横山のみならず他選手にも影響があったようにみえた決勝戦。もっとベストコンディションでの決勝戦を見たかった気持ちはあるが、宮崎学園は創部以来はじめての決勝進出・準優勝!立派な歴史を刻んだ。

(文=三角 竜之)

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