(左)和田一浩選手 (中)高校時代の藤田凌司選手 (右)高橋 純平選手

 野球部は1925年に創部。以降選抜優勝3回、夏の甲子園優勝1回と輝かしい実績を残している県立岐阜商。現役プロ野球選手OBでは2000本安打を達成した中日の主砲・和田 一浩、横浜DeNAの若きクローザー・三上 朋也、広島を支える石原 慶幸などのほかに黒瀬 春樹、藤原 正典、青木 高広など数多くのプロ野球選手を輩出している。

 近年では、2009年に岐阜城北から自身もOBである藤田 明宏元監督(現朝日大)が赴任すると、甲子園に出場しベスト4進出と上位進出を果たす。そんな県立岐阜商の2009年以降の戦い振りや、つながりを探っていきたい。

甲子園で勝てる集団に変わった藤田 明宏監督の赴任

 岐阜城北では13年間指導して甲子園出場を2回果たし、プロ野球選手も現在、中日ドラゴンズに在籍する伊藤 準規投手などを含めて3人輩出。指導に関しては岐阜県でも指折りの指導者として数えられるほどの「甲子園請負人」こと藤田 明宏監督が母校である県立岐阜商に赴任したのは2009年春のこと。3年生にとっては最後の夏を迎えるため、一生懸命練習に励んでいたときに監督交代となり、状況が受け入れられない生徒も多かったであろう。

 それでも3年生投手の山田 智弘や、3番を打つ江崎 秋馬など能力ある選手が多かったこの代を、就任して4か月の藤田監督がまとめ上げて甲子園出場に導いた。甲子園では、名采配が冴えわたり山梨学院大附、PL学園、帝京など並みいる強豪校に勝利しベスト4進出。準決勝では、準優勝した日本文理に敗れた。優勝まではいかなかったが、ここまでの結果にはOBやファンも喜んだことに違いない。この時は3年生はもちろん、4番を打った2年生の井貝 星良や1年生で遊撃手を任された福田晃規や、酒井田 照人 など下級生の活躍も躍進の要因であった。

 そして藤田監督の子息である藤田 凌司が中心となった2012年秋。彼はエース番号をつけるまでに成長し、秋季大会でも大活躍。東海大会で優勝し明治神宮大会へも進出した。明治神宮大会では初戦で仙台育英に敗れ、選抜までの課題等が明確になった大会だった。

 出場した選抜では、初戦で花咲徳栄と対戦。相手にはこの試合でも本塁打を放ち、プロ野球へ進んだ若月 健矢など好選手が揃っていたチームだが、藤田が要所を締める投球で花咲徳栄に8対3で勝利。3回戦は3期連続優勝を狙う大阪桐蔭と対戦。藤田の頑張りに打線が奮起し、5対4で勝利し、大阪桐蔭の3連覇を阻止した。

 そして2014年夏が終わった後、監督が交代。父親も同校で監督を歴任している、部長の小川 信和先生が監督に就任した。2015年春は高橋 純平投手を軸とした守り勝つチームで選抜ベスト8まで勝ち上がった。高橋投手の存在により再び注目を集めた県立岐阜商。今後も、岐阜県を代表する名門校として多くの選手を輩出していくことだろう。

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[page_break:県立岐阜商を支えた有力選手達〜2010年以降]県立岐阜商を支えた有力選手達〜2010年以降

 ここで2010年以降の選手たちを紹介していきたい。

■2010年卒・山田 智弘(専修大−JR東海)・松田 智宏(中部学院大−東海理化)・藤田 知晃(中部学院大−ミキハウスレッズ)

■2011年卒・井貝 星良(東海理化)

■2012年卒・酒井田 照人 (立教大)・福田 晃規(専修大)

■2014年卒・藤田 凌司(立教大)・竹中 裕紀(同志社大)

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