宮崎学園が意地の逆転勝利!横山楓が9回最終打者に144キロ!

↓両チームの戦歴↓【宮崎学園(第8シード)】[二回戦] 3−2 富島(延長11回サヨナラ)[三回戦] 8−1 日南(8回コールド)[準々決勝] 3−2 宮崎第一(9回サヨナラ)

【都城商(第5シード)】[二回戦] 4−3 日向学院[三回戦] 7−5 都城東(延長12回)[準々決勝] 5−2 延岡学園

 宮崎学園は、今大会、最大のピンチを抱えて開幕を迎えていた。大黒柱の横山 楓が、開幕前に虫垂炎で入院。横山は11日の開幕(開会式)を病院で迎え、退院して投球練習を再開したのは初戦(vs富島)の2日前。体重が5キロ落ち、初戦はフラフラした状態ながら、4回から延長11回までを投げ抜き、逆転勝利に貢献。横山のカムバックが試合の流れを大きく変えた2回戦から、ついに準決勝まで勝ち上がってきた。

 雨天の影響で、1時間遅れでプレーボールとなった準決勝第1試合。2回に試合が動いた。都城商4番坂元蒼が右中越三塁打、5番森山が四球で出塁して無死一三塁になると、6番原田 雄介が一塁線を破る適時打で先制。後続の併殺間に2点目を挙げる。都城商は4回にも6番原田雄の中越適時二塁打で加点。中盤まで完全に都城商ペースだった。

 しかし、6回まで宮崎学園に得点を許さない都城商4番エースの坂元蒼が、6回裏の打席で右腰に死球を受けた。痛がる坂元蒼。塁上では痛みからか、少し集中できずにいた。この死球で流れが変わるか?

 すると7回表。都城商坂元蒼が、この試合初めてとなる先頭打者を四球で出す。ここまで我慢を続けていた宮崎学園に、無死一塁のチャンス到来!宮崎学園は犠打で一死二塁としてから、7番大木、8番横山の連続適時三塁打で2点を返した!ここで、都城商は一塁を守っていた原田雄が急遽マウンドにあがる。

 8回表。宮崎学園は、2番河野・3番日高の連続中前安打、4番大野の死球で無死満塁。大チャンス到来!5番杉田が四球押し出しで同点!7番大木が死球押し出しで勝ち越し!宮崎学園にラッキーが転がりこんだ。

 宮崎学園エース横山は、序盤から本来の投球が出来ていなかったが、終盤にギアをアップ!9回最終打者には144キロ(球場表示)をマークし、最後は空振り三振にしとめた。ここにきて、やっと元の姿に戻った絶対的エースは、天高くガッツポーズし、雄叫びをあげた。それにしても、横山は、なにかをもっている男だ。マウンド上だけではなく、「打」・「走」で躍動する横山 楓の姿は、流れまで変え、チームメイトに与える影響力が大きい。勝利の女神も、横山を見放さない。

 5月に、MRT招待高校野球大会でNPB12球団のスカウトを前に、県立岐阜商の高橋 純平投手と投げ合い、ベストピッチングをみせた(試合レポート)。甲子園での再会を約束した高橋の夏は終わったが、この夏、横山が甲子園のマウンドで大注目を浴びることになるかもしれない。宮崎学園は甲子園初出場まで、あとひとつ。

(文=三角 竜之)

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