勝負の分かれ目は6回の攻防!大冠、気迫のベスト8入り!

 選手権大阪大会はベスト8入りをかけいよいよ5回戦が始まった。大阪市南港中央野球場では3試合。第1試合は、大冠と門真なみはやの対戦。強烈な日差しと蝉の声が降り注ぐ中、午前9時にプレーボールとなった。

 府立の強豪として知られる大冠は昨夏、3回戦で大阪桐蔭に敗れているだけに、このまま勝ち抜きリベンジを果たしたい。門真なみはやは、秋の1回戦負けからここまでチームを仕上げてきた。1、2回戦でコールド勝ちをして勢いに乗ると、接戦を制しベスト16までたどり着いた。

 試合は初回に動く。1回裏、大冠は1番・奥田 椋平が四球で出塁し、バントや四球で二死一、三塁のチャンスを作ると、5番・吉田 大喜の打球がエラーを誘い1点を先制する。その後はチャンスを作るもののあと1本が出ず。門真なみはや先発・藤本 央が要所を締めていく。

 一方、大冠先発・吉田 大喜の前に抑え込まれていた門真なみはやは4回表、ヒットで出塁の2番・岩永 裕志を三塁まで進め、5番・今津 一星のタイムリーで1点を返し同点に追いつく。

 集中力が要求される一進一退の攻防。回が進むごとに、次の1点の重要性がどんどん増していく。

 6回表、門真なみはやは一死から4番・高橋 輝が一塁方向へゴロを打つ。これを大冠ファーストが取れずバックアップのセカンドが止めるもセーフ、内野安打となる。ここで高橋は盗塁を決行。キャッチャーからの送球のタイミングはアウトだったが、ブロックを上手くすり抜けて二塁へ到達する。さらに6番・徳永 詞也のヒットと盗塁で二死二、三塁と門真なみはやがチャンスを広げる。おおいに沸く門真なみはやスタンドだったが、後続が三振の取られ追加点はならない。

 その裏、大冠は先頭の6番・辻 晃志がヒットで出塁。3回から連続で先頭打者を塁に出している大冠だが、ピンチを脱した後のここは何としても生かしたい。7番・峯山 真沙弥が送りバントを決め、辻は二塁へ。その後二死となり、またも無得点かと嫌な空気が一瞬大冠ファンを覆うが、9番・廣瀬 泰蔵がセンターへ打球を飛ばす。門真なみはやセンターがダイビングキャッチを試みるが、惜しくもグラブからボールがこぼれ、これがタイムリーツーベースとなり大冠が1点を勝ち越す。

 8回にも代打・高瀬 仁のタイムリーで1点を追加した大冠が、3対1で勝利。ベスト8入りを果たし、選手たちは笑顔に。駆けつけたファンからも大きな拍手が贈られた。

(文=青木 有実子)

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