画像はオフィシャルホームページより

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 大混戦のセ・リーグ前半戦を首位で折り返した、横浜DeNAベイスターズ。優勝した1998年以来、17年ぶりに首位として折り返すシーズンにファンは歓喜している。

 とはいえ、今年のベイスターズは波が激しい。序盤、快調に勝ち続け最大12の貯金を作り首位に立つも、交流戦で大失速。リーグ戦再開までまさかの12連敗。しかし、連敗を脱出するとその後のリーグ戦を10勝7敗で盛り返し、一時5位まで落ちた順位も前半を終わって首位に立っていた。このジェットコースターのような展開は、ファンをやきもきさせつつも最高に楽しませている。ファンの声を紹介すると、

「12連敗しても首位……。なんか今年の野球は楽しくてしょうがない。連敗なんか気にしていたら長年ベイファンできません。とにかく素直にこの順位を喜びたい」(30代男性)

「試合内容も粘り強く、連敗しようが、嫌な負け方をしようが、次の試合には気持ちが切り替わっている。そんなポジティブさが伝わってくる。こういう雰囲気は期待できる」(40代男性)

「今年の主役は間違いなくベイ。主役は最終的に勝つようにできているんです」(20代女性)

 と、17年ぶりの首位ターンを素直に喜びながら、このめまぐるしい展開も歓迎している様子。ベイスターズは、優勝した1998年から17年でBクラスが13回。内最下位が9回と、不振にあえいでいた。そんな中での首位ターン。喜ぶなというほうが無理だろう。

初のクライマックスシリーズ進出も射程圏内

 ベイスターズは、12球団唯一のクライマックスシリーズ(CS)未経験球団。しかし、過去首位ターンからのCS未進出は、2012年の千葉ロッテマリーンズのみ。20チーム中19チームがCSの出場権を得ており、その確率は実に95%。データを見る限り進出は確定的で、それ故に期待値も自ずと高まっている。

「ここまで来たら、CS進出なんて小さいこと言わずに優勝狙おうぜ!」(20代男性)

「後半も苦戦が予想されるが、今のベイスターズは粘りのチーム。最後に来るのはベイスターズと信じています」(30代男性)

「ベイスターズは筒香のチーム。筒香が打てばチームは乗るし、勝ち上がる。信じています」(30代女性)

 ファンの声からも分かるように、4番筒香嘉智にかかる期待は大きい。交流戦失速の原因も主砲筒香の負傷にあるとみられている。故障の影響で長打率が低下。得点圏打率も.071と落ち込み、打点はわずか1と4番としての働きを見せることができなかった。

 しかし、交流戦明けからは復調傾向。7月は、本塁打こそ1本ながら、打率は.442打点8と、調子を上げてきている。期待を一身に背負う主砲のバットが爆発すれば優勝も難しくはない。史上空前の大混戦を抜け出すのはベイスターズ。ファンはそう信じて疑わないのだ。

(取材・文/井上智博)