延長10回の熱戦!一進一退の攻防を制したのは…!?

 先日の4回戦で優勝候補の大本命であった二松学舎大附をサヨナラで破った堀越と、3回戦4回戦と1点差の試合で勝ち進んできた東京実との戦い。午前9時の神宮球場は既に強い日差しによって応援スタンドに陽炎が現れるほどの暑さ。

 先制したのは、ここまで接戦を制してきた東京実。初回から先頭の串崎 圭人が中堅手を越える2塁打で出塁し、2番・小林 英明が犠打で送る。3番・鈴木 柊馬が左翼線に打球を運び早々に1点を先制する東京実。

 堀越もすぐに反撃する。3回表に先頭の7番・木村 拓人が左前安打で出塁すると、1番・佐藤 諄弥が右前安打で走者を還し同点とする。

 しかし東京実は、安打とエラーから生まれたチャンスに6番・横山 恒平が右中間を破る3塁打で1点、7番・時盛 倭人のレフトスタンドに飛び込む本塁打で2点を追加し、得点差を離す。

 しかし、ここから堀越が少しずつ得点差を縮めにかかる。5回に9番・藤田 翔大の中前安打で1点を返す。6回には、5番・大澤 侑祐のレフトスタンドへの本塁打で1点。本塁打を放った大澤は佐藤 洸貴とハイタッチをし「よっしゃあ!」と喜びを爆発させた。続く7回にも、1番・佐藤諄の中堅手の頭上を越える2塁打で1点を返し、7回の段階で4対4の同点に追いつく。4回戦の逆転劇の勢いそのまま2試合連続で逆転勝利となるかと思わせたが、東京実がこれ以上の反撃は許さなかった。

 ここから互いにチャンスを作るも「0」が得点掲示板に並ぶ。9回を終えても決着がつかず延長戦に。ここまで2時間ちょうどと引き締まった試合を展開する。

 試合を決めたのは、10回裏の東京実の3番・鈴木 柊馬の右儀飛。先制点を含め全打席で出塁の活躍を見せた。

 試合を大きく左右したのは9回の堀越の攻撃でのあるプレーであった。それは先頭の木村が左翼線への2塁打で出塁した後、挟殺によりアウトにされた場面。このピンチを抑え延長に持ち込んだ東京実がワンチャンスを逃さずに得点へと繋げ、3回戦4回戦に引き続き1点差の試合を制した。

 勝利した東京実は、7月23日に明治神宮野球場で安田学園と都立篠崎の勝者と準決勝進出を懸けて対戦する。

(文=佐藤 友美)

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