横浜vs海老名
今季限りで高校野球の指導現場からの勇退を公表している横浜の渡辺 元智監督。もちろん、選手たちもそのことは十分に意識しているであろう。神奈川の高校野球ファンも、この夏で最後となる渡辺監督の横浜がどんな戦いをしていくのかということは、大いに注目したいところであろう。（関連記事）
ただ、この春の県大会では3回戦で桐蔭学園に敗れてしまったということもあって、ノーシードでの発進となった。1回戦では、チーム力のある光明相模原を制しての2回戦である。
この日の試合では、結果的には6回コールドゲームとなったものの、横浜らしい圧倒的な力強さを見せたという印象はあまりなかった。むしろ、いろいろなことを試しながら、中盤以降を見据えての戦いという印象だった。
初回の横浜は、二死二塁から4番公家 響君の三塁打で先制して、続く三河 聖央君もタイムリー打してまず2点。2回にも、海老名の塚平君がもう一つ制球で苦しむ中、四球と野選、暴投なども重なってこの回5点。横浜としては、誰がどう打ったというよりは、貰ったような形の得点となったが、相手のミスにきっちりつけ込んでいくというところには、やはり強豪校らしさが見られた。
横浜は、3回4回にも二人目の安延君、三人目の青木君を攻めて、四球を多く奪い押し出しなどで追加点を挙げていった。また、横浜の投手陣は、先発の石川 達也君は2イニングを3人ずつで退け、二番手の北山 比呂君も2イニング無安打で抑えた。三人目の春日井 静斗君は初安打を許し、外野失策などもあったが、盗塁を刺すなど守りの鋭さを見せつけて、0に抑えたのはさすがだった。
海老名は、力負けは否めないところだろうが、それでも後半は失点を最小限に抑えていき、立て直していこうという姿勢は十分に感じられた。
（文＝手束 仁）
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