そつなく加点で快勝・加世田

 雨で3日間順延になったオープニングゲームは、加世田が7安打5盗塁13四死球で12得点とそつなく加点してコールド勝ちだった。

 相手の弱点を見出せば、逃さず攻める。加世田は初回一死、2番・森山 史也(3年)は四球で出塁すると、すかさず盗塁を決めて相手バッテリーを揺さぶる。ライトフライで三進し、捕逸で瞬く間に先制点を挙げた。2回は先頭の5番・恒吉 隼人(3年)が四球で出塁すると、またしても二盗を決める。ショートゴロで三進し、2点目も捕逸だった。1本もヒットを打たないうちに2点を先制し主導権を握った。

 3回は一死から3連続四球で満塁とし、5番・恒吉の犠牲フライで3点目。6番・新澤 泰史(3年)が放ったチーム初安打はレフトの頭上を抜ける二塁打となり、更に2点を加えたことで大きな流れを手繰り寄せると、7番・柳田 元輝(3年)、1番・藤井 淳哉(3年)にもタイムリーが出て、この回大量6点を加えて大勢を決めた。4回には5番・恒吉が大会第1号のソロアーチをライトスタンドに叩き込んだ。

 立ち上がりから防戦一方の苦しい展開が続く志學館だったが、4回からエース田中 晟翔(3年)が立ち直り、果敢にけん制を入れるなどして足を警戒し、捕手・川本 寅ノ介(3年)が4回に2回連続で二盗を阻止するなどで意地を見せる。

 5回コールドは阻止するも6回表に3点を失って後がなくなった志學館は、その裏、先頭の7番・瀬野 涼馬(3年)が四球で出塁し、9番・田中のセンター前ヒットで一死二三塁と、土壇場でようやく得点圏に走者を進める。何とか1点でも取り返したかったが、最後は捕逸で三走が中途半端に飛び出して、狭殺プレーでタッチアウト。最後まで本塁が遠かった。

(文=政 純一郎)

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