終盤まで粘った知念がサヨナラ勝利！

　試合の序盤、優位に試合運びをしていたのは与勝。得点には至らなかったが初回の先頭打者にヒットが生まれる幸先良いスタートを切ると、2回にはこちらも先頭打者の神村 哲太がライト線を破る二塁打を放つ。その大事な走者を犠打とスクイズでミスなく返し、与勝が先制した。3回には二死三塁、4回にも二死一・二塁とチャンスを作るも、知念先発の銘苅 瑞輝の、走者を出してからの粘投で追加点を与えなかったのが知念ベンチにとっては大きかった。

　4回の知念は、二死から連打が生まれるも、与勝のライト・宇根 越の好返球もあり、三塁タッチアウトになるなど、中々チャンスを掴むことが出来なかった。しかし5回には徳嶺 一貴に、7回にも知念 佑磨に二塁打が飛び出すなど中盤以降、徐々に流れを手繰り寄せる知念。そして迎えた9回裏、先頭打者の與那嶺 盛矢が右中間を深々と破る三塁打を放つと、赤嶺 里樹に同点のタイムリーが生まれた。二死となるがランナーを三塁まで進めると、代打で登場した金城 臣矢が2球目を弾くと打球はライトの前へ。劇的なサヨナラ勝ちで知念が2年連続のベスト16へとコマを進めた。

　敗れた与勝だが、9回に逆転されたものの、それまでの要所を締める素晴らしいピッチングを見せてくれた神村の力投と、それに応えるかのように無失策プレーを見せた野手陣の頑張りに、多くのファンも胸を熱くしたに違いない。堂々とした最後の夏であった。

（文＝當山 雅通）