連投の疲れを見せるどころか、昨日以上のピッチングを披露した普天間の剛腕・與那原大剛

 昨日の試合のピッチングとは明らかに違っていた。

9奪三振をマークしながら、3連打を含む7安打を浴びた普天間の與那原 大剛(よなはら・ひろたか)だったが、再試合のこの日はまるで別人のような理想的な投球で八重山商工打線を手玉に取り、僅か3安打の完封勝利を収めた。

普天間は初回、二死一・三塁として5番與那原が逆らわずに右中間へ弾き返すタイムリー三塁打で2点を先制した。

追い掛ける八重山商工は2回、先頭打者にストレートの四球を与えるなど、突如乱れた與那原に対し、犠打で得点圏に進める。だが、おそらく、ここが試合の分岐点となっただろう。さぁこれから!というときに、二塁走者が牽制で刺されてしまったのだ。このイニングの頭から投げた14球中、ストライク僅か3球だったのだから、やはりここで最低でも追いついておけば。。。と、悔やまれる場面であった。

だが八重山商工は、二番手として今日は登板したエース具志堅忠憲が7回まで普天間打線を沈黙させるなど、最後まで分からない、観ているこちらがハラハラドキドキする緊張感のある試合を展開するなど、その頑張りが応援団を始め、観客の心を打ったに違いない。残された2年生以下の後輩たちが、しっかりとこの2試合を胸に刻むことを、イチ高校野球ファンとして望む。

8回にも、普天間は無死満塁から宮城優大がしぶとくレフト前へ運ぶタイムリーを放ち、この試合をほぼ決定づけた。コザ・内間 敦也、中部商・前田 敬太、石川・浜川 優馬に割って入る2015年沖縄県の剛腕カルテット入りを、この2試合で文句無しに見せつけた與那原の、最後の夏の大暴れに期待したい。

(文=當山 雅通)