最速140kmで1失点完投。一本立ちの風格が備わりつつある神里の力投で沖縄尚学が二回戦へ進出

 沖縄県高校野球春季大会で完投勝利を収め、敗れたものの興南戦(試合レポート)でも2失点と結果を残し、実力でエースナンバーを手中に収めた神里 廣之介(かみざと・こうのすけ)が、陽明打線を僅か3安打、この日の最速140kmという球威あるストレートを軸に効果的なツーシームを交えて12個もの三振を奪う力投でチームの夏の選手権沖縄大会の連勝を12に伸ばした。

3回まで陽明先発の當間幸輝にノーヒットと抑えられていた沖縄尚学打線は4回、一死から春の県大会の打率が4割を越した松元 孝平がライトへ二塁打を放つと、変わったサウスポーの吉味雄也から内間洸介がライト前ヒットでチャンスを広げる。その後一塁走者が飛び出すダブルスチールが失敗に終わるが、二死一・三塁として再び一塁走者が挟殺を誘い、タッグを逃れる間に三走が生還し先制する。その後与那覇 廉にレフトへの大きな2点タイムリー二塁打が生まれ3点を刻んだ。

 さらに沖縄尚学は、5回にリードオフマン中村 将己にタイムリー三塁打が飛び出すと、8回にも内間の三塁打などで2点を加え勝利を決定的にした。投げては神里が12奪三振無四球の素晴らしいピッチングを披露。春からまた一段とレベルを上げてきた沖縄尚学が、夏の選手権沖縄大会三連覇へ向けて好発進した。

敗れた陽明だが、6回に無死二塁のチャンスを作り、相手のエラーを誘っただけでなく、それを見た二塁走者が積極的に本塁を陥れるなど、格上の沖縄尚学を向こうに回しても臆するところの無いプレーを見せてくれた。

(文=當山 雅通)