03年に廃案となり今国会に再提出される人権擁護法案に対し、メディアへの政治介入に反対するジャーナリストや有識者らが8日、緊急会見を東京・永田町の参議院議員会館で開いた。


「人権擁護法案」の反対アピールをだす呼びかけ人たち(撮影:常井健一)
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 配布された「緊急アピール」によると、◆「人権救済機関」は公権力から独立させるために、法務省ではなく内閣府の外局に置き、独立性を保証すること、◆表現の自由を確保するため「メディア規制条項」は削除すること―などを政府・与党に強く求めている。

 アジアプレスの野中章弘代表の呼びかけで開かれた会見には、桂敬一立正大学教授(マスメディア論)、月刊「創」編集長で日本ペンクラブ・言論表現委員会副委員長の篠田博之氏、サンデー毎日編集長の越川健一郎氏ら、14人が出席。「国連規約人権委員会は、政府から独立した告発機関を作るよう日本政府に求めていた。同法案の人権救済機関は全く反対のもの」など、同法案への批判が相次いだ。

 桂氏は、メディア規制反対の動きに、フリージャーナリストが活躍しているのに比べ、大手メディアの対応が弱いことに「大変心配だ」と発言。NHK問題やライブドアとフジテレビの対立にからんで、「メディアに色々な波が押し寄せているが、自分の足元がぐらついていて、うろたえてしまっている」とメディアの現状に苦言を呈した。【了】