川越東、二季連続4強も、走塁面で課題を残す

先発・磯川(川越東)

 市立川越戦で12回サヨナラ勝ちを決めた川越東と前の試合で延長14回で劇的な逆転勝利で勢いに乗る朝霞との一戦、先発は朝霞がエース木村、川越東は新しい投手を試すかと思われたが、これまで同様に磯川が先発する。

 試合は、川越東・渡辺監督が開口一番「今日は反省すべき試合。決め事が全然できなかった」と語ったように川越東にとってはミスで得点を逃すなど、苦しいゲームとなった。

 川越東打線は初回から木村に襲い掛かる。先頭の福岡 高輝がライト線への二塁打で出塁すると、続く吉澤も四球を選び無死一、二塁とチャンスを広げる。3番・駒崎への強攻策はセンターフライに終わるが、続く藤野の打球はライトフェンスにダイレクトで当たる。誰もが先制点だと思った次の瞬間、川越東に大きなミスが出る。まずは二塁走者がホームまで帰ってこれず三塁ストップ、さらに打者走者も前の走者をみておらず、二塁前まで到達する。結果まずは藤野が挟まれて二死。だが、朝霞内野陣がもたつく間に三塁走者・福岡が虚を尽き本塁を狙うが、結果、今度は二塁走者が誘い出され三塁憤死で無得点に終わる。

 それでも先制したのは川越東だった。2回表、この回先頭の札葉が四球で出塁すると、一死後、7番・大南が送り二死二塁とする。ここでこの日スタメンの野口がファーストへの内野安打を放ち一、三塁とチャンスを広げると、9番・磯川が左中間へ2点タイムリー三塁打を放ち川越東が2点を先制する。 だが、前のイニングで三塁まで走り息の上がる磯川に対し、朝霞もその裏すぐに反撃を開始する。水出、吉田の連打で無死一、二塁とチャンスを作ると、7番・保坂がきっちりと送り一死二、三塁とする。ここで続く中野がセンター前タイムリーを放ち1点を返すと、二死後1番・名取にもセンター前2点タイムリーが飛び出し朝霞が一気に試合をひっくり返す。

 これで流れが朝霞に傾き始めたかと思われたが、川越東は3回以降、磯川が落ち着きを取り戻すと、中盤以降徐々に地力見せ始める。

本塁打を放った駒崎(川越東)

 5回表、この回先頭の野口が右中間への二塁打で出塁すると、続く磯川がきっちりと送り一死三塁とする。すると二死後、2番・吉澤がライト前タイムリーを放ち早い段階で同点に追いつく。

 すると木村に対しタイミングが合っていると感じたか朝霞ベンチは木村を諦め6回から高1の春以来という変則左腕の水出をマウンドへ送る。

 だが、今の川越東打線はさほど左投手を苦にしない。7回表には、その水出に対し、この回先頭の磯川がレフト越えの二塁打で出塁すると、続く福岡がきっちりと犠飛を放ち一死三塁とする。ここで2番・吉澤もライトへきっちりと犠飛を放ち1点を勝ち越すと、続く駒崎がライトポール直撃のソロ本塁打を放ち5対3とし流れを引き戻す。

 さらにこの裏から登板したエース高橋 佑樹が朝霞打線をきっちりと抑えると、8回表には二死三塁からその高橋がライト前タイムリーを放ち試合を決めた。

 まずは、朝霞だが、この試合もファインプレーが三つも飛び出すなど持ち前の粘りを見せ中盤までは抵抗した。だが、おそらく川越東対策だったのであろう水出が捕まり万策が尽きた。とはいえ、打線も活発で守備陣も安定している。むしろ課題は投手陣か。絶対的な支柱が欲しい所であろう。

 一方の川越東だが、走塁のミスで得点を逃すなど、準決勝の聖望学園戦へ向けて課題を残す内容となった。修正をして、準決勝に臨んでいきたい。

(文=南 英博)