【ファンキー通信】違法コピー製品を摘発したのは・・・何と「犬」!!

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 外国からの麻薬の輸入を未然に防いでいる功労者・・・ならぬ功労犬こと、麻薬探知犬。彼らは実に人間の数万倍もの嗅覚をもって、日本の治安に一役買っているわけだが、先日、イギリスの空港で似て非なる犬たちが大活躍を収めた。その犬たちとは「DVD犬」。文字通り、DVDを押収するために試験的に配備された犬たちのことである。

 DVDやビデオの違法コピー製品の蔓延は、今や世界規模の深刻な問題だ。2005年9月にアメリカの映画制作会社6社が発表した資料によると、DVDやビデオの違法コピー製品による損失額は年間35億ドル(約3850億円)にものぼる。このような現状に手を打つべく、ロンドンに本部を置く「著作権盗難防止連盟(FACT)」がとった対策案が、このDVD犬。この日のために8ヶ月間にも及ぶ訓練を受けたラブラドール犬の「ラッキー」と「フロー」の2頭は、待ってましたとばかりに摘発したとのこと。

 しかし、いくら訓練したとはいえ、犬にDVDの匂いが嗅ぎ分けられるものなんだろうか? そもそも、DVDに匂いなんて存在するの? 気になったので、某電気製品メーカーに問い合わせてみた。

 「そうですねぇ・・・、材料がありますので、匂いは全くないということはないですが・・・。それでも、有害な匂いではないですよ」(某電気製品メーカー 社員)

 なるほど。わずかながら匂いは存在し、そして、その匂いは麻薬のように有害なものではないらしい。では、どうやってDVD犬はDVDの匂いを嗅ぎ分けているのだろうか? 今度は横浜税関に問い合わせてみたところ、

 「う〜ん・・・海外のことですので、把握しかねます」(横浜税関 職員)

とのツレナイお返事。・・・仕方ない、自力で色々調べてみよう。

 横浜税関や日本警察犬協会のホームページによると、麻薬探知犬は、麻薬の匂いをつけた「ダミー」と呼ばれる棒状の巻物で遊ぶことによって、麻薬の匂いを覚えるとのこと。そのため、麻薬探知犬にとって「麻薬の匂いを探すこと」=「遊ぶこと」となるのであり、だから麻薬の匂いを必死に探しているのだとか。ちなみに「ニンニクの匂い」であれば人間の2000倍、「腐ったバターの匂い」であれば人間の80万倍にも感じる嗅覚を持っているらしい。

 ということは、普段感じることのないDVDの匂いも嗅ぎ取ることができ、さらにその匂いをダミーにつけて遊ばせていれば、麻薬犬ならぬDVD犬が誕生するのではないだろうか?

このようなDVD犬がもっとたくさん増えれば違法コピーが撲滅される日も近い!? (安田明洋/verb)